保温性の高いニットは、寒い時期に大活躍するファッションアイテムのひとつ。見た目もかわいいので、トレンドのニットを早く着たい!という気持ちがある一方で、着るタイミングが分からずに困ってしまうことも少なくありません。そこで今回は、ニットを着るのに適切な時期や、気温に合わせてニットをコーディネートに取り入れるコツをまとめました。
【素材・編み方目別】ニットを着るのに適切な時期を紹介
ニットというと、秋冬のイメージがありますが、実は素材や編み方の組み合わせによっては、夏や初秋にも着用することが可能です。ここでは代表的な7つのニット素材と、それぞれに合った季節をまとめました。また、ハイゲージとローゲージの編み目の特徴もご紹介いたします。
■素材1. 保温・吸湿・撥水に優れたウール
ウールは羊の毛から作られる繊維素材のことで、保温性はもちろん、吸湿性や撥水性にも優れている万能素材です。デリケートな素材なのでお手入れにやや手間はかかりますが、吸湿性・撥水性を兼ね備えているので、着る度に洗濯する必要はありません。冬場は洗濯物も乾きにくいので、寒さ対策にぜひ1枚持っておきたいニットです。
■素材2. 美しいツヤと肌触りの良さが魅力のカシミヤ
カシミヤヤギの毛から作られる繊維素材です。保温性・吸湿性が高く、薄手のニットでも十分温かいところが特徴です。値段はやや高価ですが、繊維の宝石と呼ばれるほど光沢が美しく、手触りもなめらかなので、秋冬ニットの定番として親しまれています。
■素材3. ふわふわの見た目がかわいいモヘア
モヘアはアンゴラヤギの毛から作られる繊維素材で、毛足が長く、ふわふわしているところが特徴です。断熱性と吸湿性に優れているため、ウール同様、秋冬におすすめの1枚です。ただ、毛が非常に抜けやすいので、こまめにブラッシングする必要があります。
■素材4. 通気性がよく、着心地の軽いシルク
蚕が成虫になる際に作られる繭から作られる繊維素材です。ほかの素材に比べると軽量で柔らかく、通気性が高いので、温かい時期でも快適に着用できます。ノースリーブや半袖なら、8~9月に着られるサマーニットとして活躍します。
■素材5. 吸湿速乾性に優れ、涼感のあるリネン
亜麻科の植物から採取される繊維素材です。シルクよりもさらに吸湿速乾性と通気性に長けているので、こちらもサマーニットの定番として重宝されています。汚れにも強いので比較的扱いやすい素材ですが、ほとんど伸縮性がないので、脱ぎ着するときは注意が必要です。
■素材6. 肌触りがなめらかで柔らかいレーヨン
木材パルプを再生して作られた繊維素材です。肌触りがなめらかで柔軟性に富んでいるので、楽に脱ぎ着できるところが特徴です。薄手のものなら夏や初秋に着ても問題ありませんが、水に弱いので、夕立や台風には要注意です。
■素材7. 耐久性が高く、お手入れしやすいアクリル
アクリロニトリルと呼ばれる有機化合物を溶かして作られた繊維素材です。保温性と柔軟性に優れ、かつ耐久性が高いことから、日常使いしやすいニットとして重宝されています。大量生産できるので価格が安いのもうれしいポイントですが、静電気が起こりやすい、毛玉ができやすいといったデメリットもあります。アクリル100%ならそれほど保温性が高くないので、厚みや編み方によっては春先~初秋にも着用できます。
■編み目1. キメが細かくスッキリしたハイゲージ
細糸で編まれたきめ細かいニットのことです。薄くてスッキリとしたシルエットになるので、春先や初秋に着ても違和感がありません。ニットを着たいけど、着ぶくれしたくないというときにおすすめです。
■編み目2. 温かくて優しい雰囲気をもつローゲージ
太めの糸でざっくりと編み込まれたニットのことです。網目や模様がはっきりわかりやすく、ボリュームも出るので、温かくて優しいイメージを与えられます。秋が深まってきた時期や、冬場のコーディネートに取り入れたい1枚です。
気温に合わせてニットを着るときの2つのコツを紹介
ニットは、気温に合わせて上手に素材や編み方を組み合わせれば、一年通してファッションに取り入れることができます。ここでは気温に合わせてニットを取り入れるコツを2つご紹介します。
■1. 春夏はハイゲージのサマーニットをさらりと着こなすのがポイント
春夏は、通気性のよいコットンやリネン、アクリルなどの素材を使ったハイゲージのサマーニットを着用するのがおすすめです。夏はノースリーブや半袖1枚でもOKですが、春先や初秋は薄手のカーディガンを合わせたり、逆にシャツ&薄手のニットカーディガンを組み合わせたりすると快適に過ごせます。
■2. 秋冬はウールやカシミヤのニットでふんわりと温かいコーディネートに!
寒さが本格化してくる秋冬は保温性の高いウールやカシミヤのニットを取り入れた温かいコーディネートを目指しましょう。100%のウール・カシミヤのニットなら、ハイゲージニットでも十分温かいので、ボリュームのあるアウターを合わせても着ぶくれしません。逆にアクリルのローゲージニットを着るときはボリュームが出やすいので、アウターは薄手のものを選ぶのがポイントです。
ニットは天気や気温に合わせて上手に着こなそう
ニットには、ウールやカシミヤ、アクリル、コットンなどさまざまな素材が使われており、ハイゲージやローゲージなどの編み目と組み合わせれば、オールシーズン活用することが可能です。ただ、春先や初秋は気温が変化しやすく、ニットの選び方が難しいので、お出かけ前に1日の天気・気温をチェックしてからコーディネートを決めるのがベストです。
日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」では、1日の気温から予想した服装指数を毎日公開しています。朝・昼・夜の時間帯別に、地域ごとのおすすめコーディネートが提案されているので、お出かけ時や帰宅時の服装指数を目安にベストなニットコーデを選択しましょう。