23日には暑さがひと段落するとされる「処暑」を迎えますが、きびしい残暑が予想されます。熱中症に気をつけて過ごしましょう。
今回はバイクの日の目的と取り組みについてと、バイクにまつわる2本の映画をご紹介します。
バイクを安全に楽しむために
「バイクの日」は、政府総務庁(現在の内閣府)交通安全対策本部より、交通事故撲滅を目的として1989年に制定されました。自治体の交通安全担当課や地元警察では、二輪車の安全運転講習会等を展開しています。さらに2000年からは、二輪車業界が毎年7〜9月の3か月間を「バイク月間」と定め、二輪車の楽しさ、利便性、有用性といったバイクの素晴らしさを普及する活動を行っています。
初心者ライダーや運転に不安があるライダーのための安全運転講習(グッドライダーミーティング)は、安全運転技術の向上と交通法規・マナー遵守を目的とした体験型二輪車安全運転講習会。安全運転の基礎知識に始まり、安定したブレーキング、コーナリング、スラローム走行などを、実際に訓練することができます。全国の都道府県で実施されていますので、ライダーの方はスケジュールをチェックしてみてはいかがでしょうか。
グッドライダーミーティング参加のお申し込み
映画『イージー・ライダー』に登場する、ハーレーの「チョッパー」
タウンユースで気軽に乗りたいスクーターやミニバイクから重量感のある大型のものまで、バイクにもさまざまなタイプがあります。日本が誇るホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキをはじめ、イタリアのドゥカティ、ドイツのBMW、オーストリアのKTM、イギリスのトライアンフなど、世界で愛されているブランドも多数存在しますね。なかでも、バイクに詳しくなくてもその名を知る人も多い「ハーレーダビッドソン」は、多くのライダーが一度は乗ってみたいと憧れるアメリカ発のバイクブランドです。
ハーレーが日本で広く知られることになったのは、1969年に公開されたアメリカンニューシネマの代表作『イージー・ライダー』がきっかけでした。ふたりの長髪の若者(ピーター・フォンダとデニス・ホッパー)が巨大なバイクでアメリカの大地を疾走するロードムービーは、刹那的な自由を強烈に体現していました。彼らが乗るバイクは、ハーレーダビッドソンの「CHOPPER(チョッパー)」といわれるインパクトのある形状。特に目を引くのは、ハンドルのグリップが驚くほど高い位置にあるエイプハンガー。ハンドルを持つと、サルが木からぶら下がっているように見えるのがネーミングの由来とか。加えて、フロントタイヤを挟んでいるフォークを前方に長く伸ばしたロングフォークが特徴です。
ハーレーといえばこのチョッパースタイルのバイクを連想する人も多いのではないでしょうか。ところで、このチョッパーはバイクのモデル名ではないのです。チョッパーの語源は「チョップ=ぶち切る」。チョッパーとは、バイクの部品を取り除いたり、切り取ったりして加工することを意味します。タイヤの上のフェンダーを取り除いたり、別のバイクのものに取り替える、タンクをコンパクトにして軽量化する、細いフロントホイールに変更するなど、重厚感あるハーレーを軽快に改造する目的から始まったようです。チョッパーとはバイクを独自に改造すること。自由なスタイルにカスタマイズされたハーレーは、映画『イージー・ライダー』の世界観を象徴するアイコンとなったのですね。
禁断の愛を求めて疾走するバイク。『あの胸にもういちど』
マリアンヌ・フェイスフルとアラン・ドロン共演の『あの胸にもういちど』(1968年)も、バイクが物語を牽引する存在。原作はフランスの作家マンディアルグの『オートバイ』です。素肌に革のワンピース・レーシングスーツを着てハーレーのエレクトラグライドに乗るマリアンヌの姿は必見。『ルパン3世』の峰不二子のモデルともいわれていますね。ちなみに、峰不二子もハーレーに乗っています。
『イージー・ライダー』と同様にバイクが自由を象徴するアイコンであり、唐突に訪れる衝撃のラストもアメリカンニューシネマを彷彿とさせる作品です。
バイクに乗る人も乗らない人も楽しめる映画のなかのバイク。バイク月間の今、ぜひ鑑賞してみてくださいね。松田優作さんの遺作となった映画『ブラック・レイン』もおすすめです。
参考サイト
日本二輪車普及安全協会
ハーレーダビッドソン
暮らし〜の「チョッパーバイクとは」