現代人の生活に欠かせない、電球。10月21日はエジソンが実用的な白熱電球を発明した日です。実は白熱電球の発明には、日本の竹が深く関係していたことをご存知でしょうか。今回は、白熱電球の仕組みや歴史についてご紹介します。
白熱電球はどうやって光るの?
白熱電球は、大きく分けて「フィラメント」「ガラス球」「口金」の3つでできています。白熱電球は、この3つの内のフィラメントと呼ばれる金属線に電流を流し、徐々に温度を上げることで光を発します。電球が光る温度は、2000~3000度。かなりの高温ですよね。
それでは、なぜそれだけの高温で火事が起きず安全に使えるのか…。
フィラメントが入っているガラス球の中には、「不活性ガス」と呼ばれる気体が入っています。この不活性ガスは、二酸化炭素などの燃焼を防ぐ気体を混合したもので、消火設備にも使用されています。この不活性ガスのおかげで、火が起きないようになっているのです。
また他にも、不活性ガスを入れる代わりにガラス球の中を真空にしたものもあります。真空状態や不活性ガスには、燃焼を防ぐ他にも『電球の寿命を長くする』という役割があります。電流を流すフィラメントに使用されている金属は、酸素に触れると酸化してしまう性質を持っており、電球の寿命が短くなってしまうのです。
電球の歴史を変えた、京都の竹
電球が光る仕組みからもわかる通り、フィラメントは電球が光るための重要な部品です。そのため、いかにフィラメントの寿命を延ばすか様々な試行錯誤がされてきました。
エジソンが実用的な白熱電球を発明する前、ジョセフ・スワンという人物が一足早く電球を発明しました。彼が発明した電球に使われていたフィラメントは、紙を炭化したもので、とても脆いのが弱点でした。スワンが最初に発明した電球が発光できる時間は、およそ1分。これではお家の中は明るくなりませんよね。
そこで登場するのが、みなさんもご存知のエジソンです。エジソンは、スワンが発明した電球を実用的なものにするために、フィラメントの改良に取り組みます。様々な素材を使って実験したエジソンは、40時間、200時間、そして1200時間と、どんどん電球の発光可能時間を伸ばしていきました。
そんなエジソンの発明を助けたのは、なんと京都の清水八幡宮の境内に生えていた竹です。中国の竹を使ったフィラメントで200時間もの発光を可能にした彼は、竹に目をつけ、世界中の竹を集めて実験を重ねます。その中でも、最も光り続けることができたのが、京都の竹だったのです。
シャーペンの芯は光る?
スワンは紙を炭にしたものを、エジソンは竹を炭にしたものをフィラメントとして使用していました。これと同じように、炭素でできたシャーペンの芯を利用することで、電球をつくることができます。電球の仕組みに興味を持った方や、自由研究のテーマに悩んでいる方などは、いろんなシャーペンの芯を使って手作り電球を作ってみてはいかがでしょうか。
手作り電球に興味のある方はこちら!
(※電球を作る際は、しっかりと手順を守り、危険のないようにお気をつけください)
<参考・参照サイト>
NTT でんき案内板
中国電力 なん電だろう?調査隊
キャノンサイエンスラボ
アカリセンター
「あかりの日」委員会