処暑をむかえました。暦とともに暑さが一段落してくれれば、と願うばかりの日々です。
暑さの中に美味しい飲み物はたくさんありますが、夕刻の仕事終わりはなんといっても冷えたビールが最高! という声が多数でしょうか。
筆者のおすすめはモヒート。爽やかなミントの香りとライムの酸味がポイントのちょっと甘いカクテルです。 魅力はなんといってもミントの香り。キャンディやガムとは違う、生のミントの葉から立つ清涼感のある香りが鼻孔を刺激し、穏やかな気持ちになれるんです。
今では1年中身の回りにあるミントやハッカですが、この暑さの中にはありがたい爽やかさ。さあ、再発見してみましょう!
「薄荷」はかつては日本の輸出品でした!
ハッカは漢字では「薄荷」、ミントと区別して「日本薄荷」とよばれます。江戸時代末期から盛んに栽培されるようになったそうです。新潟県の塩沢や岡山県、広島県で栽培され、やがて移住者が北海道へと持ち込み大々的に栽培され始め、第二次世界大戦前は日本の重要な輸出品でもありました。1930年代は世界の約7割を日本産の薄荷が占めていたということです。当時アメリカのメンソレータムの多くは日本産の薄荷を原料につくられていたそうですよ。しかし1960年頃から外国産が台頭し、石油からできる合成ハッカも現れ、1990年代には日本のハッカ産業は廃れてしまいました。
しかし現在でも北海道と岡山で日本薄荷は作られており、産業として再生をめざしています。
ハッカのエッセンシャルオイルで癒されよう!
ハッカの葉っぱは本当に小さいものです。葉を揉んだ指先を鼻に近づけるだけでスーッとした香りを楽しむことができます。そんな小さな葉っぱを摘み乾燥させた後、熱した水蒸気をあててオイルを抽出すれば、純度100パーセントのエッセンシャルオイルが完成します。
熱いお風呂に1滴垂らすと、純粋ゆえのしっかりとしたハッカの香りがふわーっと立ち上がります。汗をかいた身体がホッと癒されていくのが実感できますよ。化粧水にちょっと加えてみても、ハッカの香りが気分を落ち着けてくれ、肩や足の疲れまでほぐれていく気がします。
最近では虫除けスプレーとしても、天然のハッカオイルが注目されています。一度エッセンシャルオイルの専門店を訪れてみて下さい。ハッカの他にも癒しの香りに出会えますから、好みの香りがみつかったらぜひ使ってみて下さいね。
涼しさを呼ぶスイーツはハッカ?ミント?効能もあるんです!
コンビニの飴の棚にはずらりとお口を爽やかにする商品が並んでいます。ペパーミントにスペアミント、どれがお好みですか?
すっかり隅っこに追いやられていますが日本にも薄荷菓子があるんです。「薄荷糖」はハッカの香りのついた砂糖菓子。口に含むと清涼感とともにすーっと溶けていく甘い砂糖の美味しさを味わうことができます。素朴でお菓子の原点を教えてくれる味のお菓子です。
アイスクリームの上にのっていうミントの葉、あなたは食べますか?実は残してはもったいないんですよ。ハッカやミントには胃の働きを活発にする効能があるそうです。チョコレートの「アフターエイト」をご存じでしょうか。「8時過ぎに食べて下さい」という紙のように薄く小さな四角いミント味のチョコレートです。夕食でお腹いっぱいになった胃をミントが助けますよ、という目的で作られたそうです。洒落てますね。これを真似て食べ過ぎたな、という時にはミントキャンディを口に含んでみてください。眠気覚ましにもなり、一石二鳥かもしれませんね。