今年の夏季休暇は長い人で9連休におよびましたが、今日から平常モードですね。
暦の上では「秋」ですが、屋外にいると少しでも涼しい場所を探し求めてしまうくらいの暑さが続いています。普段あまり意識する機会が少ないのが、視覚からくる体感温度の影響です。
今回は、色彩の効果を利用して手軽に「涼」を取り入れるためのポイントをご紹介しましょう。目から入る色を少し気にかけだけで、うだるような暑さの中、少し快適に過ごせるコツがみつかるかもしれません。
体感温度差マイナス3度!想像以上の色彩心理効果
普段、私たちはさまざまな「色」に囲まれて生活しています。
8月は夏物衣類のセールがさまざまな店舗で開催されていますが、「セール」「バーゲン」と表示されたポップが、ほとんどが赤であることにお気づきでしょうか。
これにはきちんとした理由があります。赤く表示されたポップは、カラーマーケティングと呼ばれる販売手法に基づいたもので、ショッピング中の人の目にアクティブカラーの「赤」が飛び込むと、それだけ注意を引きやすいうえ、脳が興奮することで、購入意欲が高まるから……といわれているのです。
このように「色」には、種類や使われている面積などにより、人間の心理に働きかけるという性質があります。
体感温度とは人が感じる寒暖の度合いのことですが、同じ気温下においても、体感温度が違って感じられるとことがわかっていて、色の取り入れ方による体感温度は、なんと3度もの差が生まれるといわれています。
つまり、寒色を取り入れることによって体感温度が下がり、涼しく過ごすことができるのです。
「暖色」「寒色」それぞれが持つ特徴・効果
暖色とは、赤・橙・黄などの暖かい印象を与える色のこと。
温度的な意味合いのほかに、次のような印象を与えます。
●活動的、活発的、積極的
●元気、活力、興奮
暖色をしばらく目にしていると、交感神経が活発化し、体温や血流をアップさせる効果があります。
寒色とは、青・水色・青緑などの涼しい印象を与える色のこと。
温度的な意味合いのほかに、次のような印象を与えます。
●爽やかさ、信頼感、知的
●沈静化、落ち着き
寒色をしばらく目にしていると、副交感神経に働きかけ、心拍や血圧を下降させ、瞬きの数を減少させる効果もあります。
この寒色を部屋のインテリアや洋服などにうまく取り入れることにより、心身をリラックスさせ涼感を得られる効果があるのです。
インテリアに寒色を取り入れる際のコツ&注意点
部屋のインテリアで手軽に変えられるものといえば、カーテンやクッション、シーツあたりでしょうか。交換も簡単なうえに目につきやすい位置にあるため、体感温度の変化を効果が感じやすいといえます。
壁や家電などが比較的重みのある色(黒系や深いグレーなど)の場合は、紺色や濃いめの青色などで調和をとるのがコツ。
明るく開放的な色(白や淡いベージュなど)が使われている室内であれば、爽やかな水色や軽やかなエメラルドグリーンなどもおすすめです。
素材にもひと工夫して、天然繊維であるリネンなどの素材を使うと、見た目だけでなく感触からもシャリッとした清涼感を得られますね。
ただ、一つだけ気をつけたいのが、ありとあらゆるものを青系でまとめてしまうと、気持ちが落ち着きすぎて「ブルー」な気分になってしまうことも。ちょっとしたラグなど、小面積なアイテムにはところどころに元気の出るような暖色を差し色として配置して、全体のバランスをとるとよいでしょう。
さぁ、今年の夏も残すところわずかですが、色彩のもたらす温度効果に着目して、残暑が厳しくなるこれからを涼しく快適に過ごしてみませんか?