甲子園では連日熱戦が続いています。帰省先の都道府県の出場校が勝ち進んでいるなら、応援にも一段と熱が入りますね。
さて、小江戸をご紹介する今回の特集ですが、映画やドラマの撮影にたびたび使われている「栃木」も代表的な小江戸のひとつです。街を流れる巴波(うずま)川岸には黒塗りの見世蔵や板塀、白壁の土蔵群が並び、市内随所に明治~昭和初期に建てられた洋館など歴史的建造物が残っているんです。
江戸時代より宿場町として、また巴波川の舟運によっても大変栄えた“北関東の商都”。その名残がいまも残る栃木に、夏休み中に出かけてみませんか!
蔵の街並み
江戸時代より日光東照宮へ参拝する人々が利用した日光例幣使街道。その宿場町として栄えたこの地に、豪商たちは立派な蔵を構えました。特に巴波(うずま)川沿いには、木材回漕問屋の黒い塀と白い蔵が連なり、かつての栄華を偲ばせます。
街の中心部を通る「蔵の街大通り」を歩くと、電線がないことに気づきます。歴史的街並みを活かすため歩道橋やアーケードが撤去され、電線は地中化されたのだそう。たしかに電線がないことで一層江戸風情が感じられ、立ち並ぶ見世蔵の魅力が増すようです。隔年開催の「とちぎ秋祭り」では、江戸型人形山車がこの大通りを巡行します。
蔵の街並み
■所在地 栃木県栃木市倭町
■アクセス 「栃木」駅北口より徒歩9分
■天候など諸事情によって条件が変わることがありますので、詳しくは栃木市観光協会オフィシャルサイトをご確認ください
蔵の街遊覧船
巴波川にかかる、欄干に鯉のモチーフが彫られた幸来橋(こうらいばし)。そのすぐ下流から瀬戸河原橋付近まで約150mの距離を、船頭さんが巧みな竿さばきで一往復する「蔵の街遊覧船」は、栃木観光で外せないアトラクションです。江戸時代、舟運による交易では塩や油、木材や石灰、農産物などが江戸と栃木を行き交いました。当時は利根川経由で一昼夜かけて江戸へ行き、三日三晩かけて戻ってきたそう! 船頭さんが語る知られざる巴波川の歴史に耳を傾けながら趣ある景色を眺めていると、乗船時間20分もあっという間です。
蔵の街遊覧船
■所在地 栃木県栃木市倭町2-6 蔵の街遊覧船待合処
■アクセス 「栃木」駅北口より徒歩10分
■天候など諸事情によって条件が変わることがありますので、詳しくは蔵の街遊覧船オフィシャルサイトをご確認ください
旧栃木町役場庁舎(現・栃木市役所別館)
現在、栃木市役所や栃木市立栃木中央小学校、栃木県立栃木高等学校が立つエリアに、かつて栃木県庁が置かれていました。 当時、その敷地の周囲、約1kmに渡って堀が巡らされていた名残が今もうかがえ、その由来から「県庁堀」と呼ばれています。
県庁堀は1996(平成8)年に県指定文化財となりました。県庁堀の南東部に建つ栃木市役所別館は、かつての栃木町役場庁舎。白とペールグリーンが爽やかなこの瀟洒な洋館は、1921(大正10)年竣工の木造2階建て。縦長の窓と柱がむき出しになっている“ハーフティンバー様式”の外観は、ルネサンス様式の影響がうかがわれ、とてもモダンですよ!
旧栃木町役場庁舎(現・栃木市役所別館)
■所在地 栃木県栃木市入舟町7-31
■アクセス 「栃木」駅北口より徒歩15分
■天候など諸事情によって条件が変わることがありますので、詳しくは文化庁文化遺産オンラインをご確認ください
横山郷土館
巴波川沿いに立つ横山郷土館は、栃木有数の麻苧(あさお)問屋だった横山家の資料館。両袖切妻造(りょうそできりづまづくり)と呼ばれる貴重な建築物で、文化庁の登録有形文化財に認定されています。
商家は右半分が麻苧問屋、左半分が1899(明治32)年設立の栃木共立銀行に分けられ、出入口も別々。商家を挟むように立つ右の石蔵は麻蔵として、左の石蔵は文庫蔵として利用されました。石蔵の外壁には鹿沼産の深岩石が積まれ、軒まわりには赤レンガと、災害対策もばっちりの頑丈な造りです。外側は洋風建築ですが内部は和洋折衷と洒落ていて、現在は中で食事もできますよ。
横山郷土館
■所在地 栃木県栃木市入舟町2-16
■アクセス 「栃木」駅北口より徒歩18分
■天候など諸事情によって条件が変わることがありますので、詳しくは栃木市観光協会オフィシャルサイトをご確認ください