冷房が活躍する季節がやってきました。熱中症対策のためにも、冷房を活用した適度な温度の室内で過ごすことが推奨されていますが、仕事のために冷房が効いた室内で長時間過ごす人の場合、足のむくみが慢性化しがちですね。
足がむくむと足全体が重だるく感じたり、ときには痛みが発生することも。足のむくみが気になる人は、むくみの解消法や、日頃のケアを早速取り入れてみませんか。
足がむくむ原因は?
足のむくみは立ち仕事の人に多いイメージがありますが、椅子に座る時間が長い人も、同じ姿勢を長く続けていることで血流が悪くなり、心臓から一番遠い位置にある足がむくみやすくなるといわれています。
さらに、同じ姿勢を続けていること以外にも、次のような理由で血流が悪くなる=むくむと考えられています。
○冷たい物をよく飲む
○体を冷えた状態にしている
○運動不足 など
私たちの体は、気温が上昇すると体内の熱を体外へ放出するために汗をかきますが、湿気の高い環境化では汗を蒸発しずらくなり、体熱を上手にコントロールできなくなってしまいます。
そのうえ、暑いからといってキンキンに冷えた飲み物をたくさん摂取すると、体が冷えるうえに、その水分が体内に溜まってしまい、結果として足がむくんでしまうのです。
夏の足むくみ解消法【入浴】
湿度の高いこの季節のむくみ解消法は、体の循環を正常モードに移すことが第一です。
それはつまり上手に汗をかいて、体外へ水分を排出させることになります。正常モードにする方法はいくつもありますので、簡単にできることから始めてみましょう。
○湯船につかり、汗をかきやすい状態を作る
暑い時季はシャワーで済ませがちですが、湯船につかって体を芯から温め、汗を出しやすい状態を作りましょう。
そして入浴後も、冷房で冷やした部屋にすぐに移動して汗を引かせようとせず、自然に汗が引くのを待つようにしましょう。そのほうが汗腺トレーニングになり、うまく汗を出しやすくなります。
また、このトレーニングでは入浴前、入浴後に水分をしっかりとることを忘れずに!
夏の足むくみ解消法【軽い運動】
むくみを引き起こす原因のひとつである血流の悪さは、同じ姿勢をとる以外にも、筋力低下によっても起こりやすくなります。でも、陽光が照りつける屋外で運動をするのはつらいですよね。
そこで、室内でも簡単に実践できる運動を取り入れてみましょう。
○ストレッチや簡単な運動を!
・足の筋肉を動かす方法として、意識的に階段を上り下りする。
・腕を胸の前にまっすぐ伸ばして(きつい人は椅子の背もたれに手をかけると安心です)、腰をひざ上まで落とすスクワットをする。
無理ない範囲でこうした簡単な運動を行うと、下半身の血流促進効果を得られることでしょう。
そのほかにも簡単にできるストレッチがあります。
○ふくらはぎのストレッチ法
・腕を伸ばした状態で壁に手をつき、片方のふくらはぎを伸ばし、その状態のまま、かかとを上げ下げして、ふくらはぎに負荷をかける。
・階段などの段差の1段上につま先だけを乗せ、かかとを下の段差に向けてゆっくり上げ下げする(このとき転ばないよう壁に手をついたり、手すりをもつようにしてくださいね)。
○ 足裏側の筋肉ストレッチ
・左右の足を片方ずつ前に出して、前の足にゆっくり体重を乗せます。このとき、アキレス腱を伸ばすことを意識しましょう。
夏の足むくみ解消法【マッサージ】
ストレッチに加えて、セルフマッサージを取り入れると、足の血流、リンパの流れがより促進され、むくみ解消に期待できます。
○マッサージ方法
・クリームやオイルなどを塗って、皮膚が滑りやすい状態を作ります。
・まず、足裏から始めましょう。足裏全体をイタ気持ちいい程度にもんだり、刺激を与えます。
・次にひざを立てて、足首を両手で痛くない程度に圧迫する感じでつかみ、つかんだ状態のまま、ひざのほうへ両手を移動します。
・仕上げに、指を使って足首側からひざの裏側へ向かってふくらはぎを優しくさすります。
夏の足むくみ解消法【ツボの刺激】
マッサージする際にツボの位置を知っておくと、より効果的ですので、ここでは「湧泉」と「三陰交」のツボをご紹介します。
○足裏のツボの刺激
・足裏の土踏まずの少し指側(画像参照)の凹んだところに「湧泉」というツボがあります。
むくみのほかに下半身の重だるい疲労感を感じる人も、手の指を使って「湧泉」をゆっくり押し、刺激を与えましょう。
○くるぶし上のツボの刺激
・足首から指4本分くらい上のスネの内側(画像参照)に「三陰交」というツボがあります。
「三陰交」は女性ホルモンのバランスを整える働きがあるツボですが、ホルモンバランスが崩れるとむくみやすくなるため、むくみがとれにくい人は、このツボをイタ気持ちいい程度に押しましょう。
── 今回ご紹介した生活習慣の見直し、入浴、軽い運動、マッサージ、ツボ押しなどで、気になる足のだるさやむくみを解消しましょう!
ただし、むくみが慢性化している人は、なんらかの病気が原因になっていることがあるかもしれません。ひどいむくみや、なかなか治らないむくみは放っておかず、医療機関を受診してくださいね。
参照・公益財団法人世田谷区保健センター、一般財団法人日本予防医学協会