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「入梅」各地で梅雨入りが発表される時季になりました


「入梅」は二十四節気や七十二候とはまた別に、季節の移り変わりを示す「雑節」のひとつです。春と秋のお彼岸や、うなぎを食べる日としてすっかり定着した夏の土用などがあります。

日本は四季がはっきりしていると言われますが、季節は気がつかないうちにどんどん変わっていくような気がしませんか。季節を表すことばや暦日があるのは生活にメリハリと潤いを与えてくれますね。いよいよ雨が降り続く季節です。お米や作物の生長には欠かせない大切な雨。とはいえ気になることもたくさんあります。それぞれに工夫をして快適にすごしていきたいですね。


「梅雨」ですがみやびに「五月雨(さみだれ)」といたしましょう

新暦では六月ですが旧暦では五月が梅雨の時季。そこで「五月雨」と書いて「さつきあめ」とも読みますが、しとしととふる雨は「さみだれ」と読むのがしっくりきます。「さ」は辞書によると名詞の上について、時期的に早く若々しいこと、また五月を表すそうです。苗代で育てた早苗(さなえ)を植えるの五月女(さおとめ)、そして田植えが終わったばかりの田んぼを早苗田(さなえだ)と、「さ」のオンパレードですね。梅雨の晴れ間の青空が水面に映れば、頼りなげな苗にも光がきらめき田んぼが生き生きとした輝きにつつまれます。

この時期の雨はつい鬱陶しく感じてしまいますが、日本人にとってはとても大切な雨。「五月の水垂れ」を「さみだれ」と呼んだ心には、田んぼに降りそそぐ雨をやさしく眺める田の神への感謝の気持ちがこもっていると思えます。時にはそんな気持ちで雨を眺めてみませんか。

早苗田

早苗田


ここは「梅」と「酢」に活躍してもらいましょう

気温が上がってきました。うっかり置きっ放しにして傷んでしまった作り置きのおかずに悔しい思いをした方もいらっしゃるのではありませんか? 梅雨時の料理には「酢」を使っておくとちょっと安心です。魚は下ごしらえに酢水で洗えば雑菌の増殖がおさえられます。煮物はさっぱりと仕上ると同時に傷みにくくしてくれます。ごはんに少し酢をふっておいたり、おにぎりは手の平に酢をおいて握るなど、お弁当にも一手間の酢は頼りになります。

もう一つはご存じ万能な「梅干し」です。おにぎりの具として安心ですが、おかずとしても「梅肉和え」はどんな野菜にも肉にも合いますね。先日魚屋さんで新鮮なイワシがありましたので、ショウガと梅干しで梅煮を作ってみました。簡単で美味しいおかずになりました。ご紹介します。

イワシはうろこを取って頭を切り落とし、内臓を取り除いてきれいに洗って貰いましょう。そうすれば煮るだけと大変簡単です。魚がひたひたになるくらいの水に醤油とみりん、お酒をいれて煮立ったらショウガとたたいた梅肉を入れ、イワシを並べましょう。あとはアルミ箔の落としぶたをして中火で7分くらい。イワシの大きさで調整してください。

気温の変化が大きく体調も安定しない時、食欲が落ちては元気を保てませんね。家族の好みを考えながら食卓に一工夫してみるのも楽しいですね。


雨だって出かけましょ! 情緒がたっぷりです

雨が降ったって、お気に入りの雨靴をみつければおそれずにお出かけできますよ! そう思いませんか? 雨の日は足元が濡れてしまうとどうしても不快になってしまいます。今は用途に合わせてお洒落な雨用の靴がたくさんありますね。毎日履くものではないのでつい、後回しにしてしまっていませんか? 朝思いきって雨靴を履いてでかけたら、すっかり晴れてしまって何だか恥ずかしい、っていう思いはしたくないですよね。あんがい雨靴を履くのは勇気がいるようです。でも、雨靴にレインコートに傘、と三つ揃えてしまえば雨の日の正装です。何があっても大丈夫! 雨をおそれず楽しむ気持ちで思いきって出かけてみませんか?

雨に濡れて咲く花は瑞々しくあざやかさも益して美しいものですね。紫陽花にあやめ、菖蒲と雨のにあう花は今盛りをむかえています。都心では明治神宮の花菖蒲、文京区白山神社の紫陽花などが有名ですが、今の時期は街をのんびりと歩いているとあちこちに花手まりのような紫陽花の花に出会えます。歩き疲れたらお気に入りのお休み処を探すのも楽しみのひとつですね。ちょっと見つけた路地をひとつ曲がってみて下さい。新しい出会いが待っているかもしれません。

「一燈を点し一堂さみだるる」 西田孤影

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