気温の寒暖差が多い春から初夏にかけての季節の変わ目は、どうしても自律神経のバランスを崩しがち。そのため、私たちの体はやる気がでないといった気分的なものをはじめ、頭痛、日中の眠気、 ダルい……といったさまざまな不調(気象病)が発生しやすくなります。
そうした不調のひとつに腰痛があります。この時期の腰痛をケアせず放置していると、ひどい場合は起き上がれなることも。そうなったら大変ですよね。そこで今回は、腰痛を起こしやすい原因と、簡単なストレッチをご紹介します。心あたりのある方は、早速試してみてくださいね。
春から初夏にかけて腰痛が多くなる理由はなぜ?
春は一日の気温の変化が激しく、朝晩で10度近い気温差がある日も珍しくありません。
冬のように一日を通して寒い日や、夏のように一日を通して暑い場合は、体はそうした環境に順応しますが、一日の中で気温差が大きいと体はついていけず、体の血行も悪くなりがち。そうすると筋肉が固くなり、体の循環がうまくいかなくなってしまいます。
さらに、日中の暖かい時間帯に油断して薄着で出かけてしまうことがありますが、夜間になって急に冷えたりすると、私たちが思う以上に体は冷え、ダメージを受けてしまいます。そして、そうしたダメージ(冷え)から、思いもよらぬギックリ腰になってしまうということがあるのです。つまり、腰痛の大敵は冷えですので、この時季は体を温めるようにすることが、とても大事なのです。
朝起きた時にするストレッチ
朝起きた時、そのまま勢いをつけて起き上がる動作は腰に強い負担がかかります。
ガバッと腰を折って起き上がり、そのまますぐに歩き出す……。
このちょっとした動作は、体がまだ目覚めておらず、動く準備できていない状態であるにもかかわらず、かなり負担を腰にかけていることになるからです。
要は、目覚めたらすぐ起き上がるのではなく、自分の体に「起きたよ!」ということを感じさせて、ゆっくり立ち上がるようにすることが大切なのです。
【目覚めの時にする腰痛予防ストレッチ】
1・寝具の上で仰向けになり、両足を伸ばす。
2・足の指を左右に倒すイメージで軽く揺らします。
3・足を揺らしながら、両手の指もグーパーしながら体の末端を動かします。
4・背中からおしり、太ももの裏側が伸びていることを感じながら、膝を折り曲げて、膝を体に引き寄せましょう。
(この時、腰に痛みを感じたらすぐやめましょう)
5・逆の足も同じように体に引き寄せましょう。
6・最後に可能であれば、両足を腕で抱えるようにして(画像参照)一緒に引き寄せましょう。
このストレッチを、あまり力を入れず、ゆったり時間をかけて行いましょう。
簡単なストレッチですが、これだけで寝ていた体を目覚めさせる効果があります。また、寝ているときに固まってしまった筋肉を伸ばす効果もあり、特に腰まわりの筋肉を伸ばすことに効果があります。
同様に、ベッドや布団から起き上がる時も、腹筋に力を入れて急に腰を曲げるような勢いある動作ではなく、横を向いてゆっくり起き上がるようにしましょう。
仕事中などにもできる簡単・腰まわりストレッチ
デスクワーク中や座っている時も、起床時と同様に急に立ち上がる動作は避けたいもの。そこで、仕事中や家事の合間にできるストレッチをご紹介しましょう。
最近はパソコンやスマホを見ていて、座りっぱなしでいる時間が長い人が多くなっています。そうした人は知らず知らずのうちに腰まわりの筋肉が固まってしまい、次の動作に映る際に腰にグキッといういやな衝撃を感じることがあります。
そうしたことにならないためにも、「今から立ち上がるぞ!」と、あらかじめ体にお知らせしてあげることが「グキッ予防」につながります。
【椅子に座ってやるストレッチ】
1・片足を持ち上げ、反対の脚の膝の上に持ち上げた足首をのせる。
2・そのまま前にゆっくり上体を倒していく。
(猫背にならないように背筋を伸ばし、おしりまわりが伸びるのを感じましょう)
3・同じ動作を、もう片足側でも行う。
おしりまわりを伸ばすことで、座っている時に緊張していた筋肉をほぐすことができます。
気象病と呼ばれるものは、大気の気圧差や気温差によって生じると考えられています。私たちは知らず知らずに気象の影響を受けているので、季節の変わり目は無理せず、体をいたわってあげることが大切です。
特に疲れが溜まっている時や、急いでいる時、忙しい時、寝起きや立ち上がる時、さらには無意識に急に次の動作に移る時に腰に痛みが生じがち。ひどいギックリ腰になると1週間ほど身動きがとれないひどい状態になってしまいますので、簡単ストレッチをちょっとだけ日常に取り入れて腰痛予防に努め、体にかかっているダメージを軽減してくださいね。