ごぼうというと、メイン食材にはなかなか使わなかったり、レシピもマンネリしてしまったり。茶色くて地味な食材のイメージではありませんか?スーパーなどでカゴに入れる頻度はどのくらいでしょう?間もなく始まる『新ごぼう』の季節。その前に、ごぼうの認識をあらためてみませんか?縁の下の力持ち食材「ごぼう」を食べて元気に、そして季節を楽しみましょう。
まずはおさらい、ごぼうについて
ごぼうは平安時代に薬草として伝来したとされており、古くから日本人には馴染みの深い野菜です。野菜として食す文化があるのは、なんと日本と台湾、韓国のみでした。近年の和食ブームでフランスなどでも食される機会が増えてきたそうです。
よく目にするごぼうの旬は11月〜1月。一方、新ごぼうの旬は春~7月。若いうちに収穫されます。成長途中なので、スジが柔らかいのが特徴です。夏ごぼうと呼ばれることもあります。
ごぼうの栄養は『食物繊維』が豊富で有名ですよね。ごぼうに含まれている水溶性食物繊維の「イヌリン」が、大腸を活発にして便秘解消や大腸がんの予防、血糖値を下げる作用があるといわれています。また、このイヌリンは食物繊維ですが腎臓の機能を高める作用があるといわれています。他にもアミノ酸の1種である「アルギニン」も多く含んでいます。アルギニンは精力増強に役立つといわれ、性ホルモンの分泌を促進したり、新陳代謝と美肌にも効果があるといわれています。また、ごぼうには不溶性食物繊維である「リグニン」も含まれていて、コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防する効果もあるといわれています。
美味しいごぼうを食べよう!
まずは選び方をおさらいしましょう。
☆ポイント1 シルエット
全体的にデコボコがなく、まっすぐで、根元から先端にかけての太さに差が少ないものを。ただし、太すぎるものには中心部分に空洞の「す」が入っている場合があるので、ほどよい太さのものを。
☆ポイント2 表面
しおれていたり、ひび割れていたりするものは、避けましょう。鮮度が落ちています。ヒゲ根が細く少ないもののほうが風味が強い。
☆ポイント3 感触
ハリがあるものを選びましょう。持ったときにグニャリとするものは、水分が抜けているかも。先端の細いほうまでピンとしているものを選びましょう。
調理の時のポイントもおさらいしておきましょう。
旬のごぼうは香りや風味が強く、旨味が多く含まれています。この美味しい成分は皮の部分に多く含まれているので、皮は剥かずに下処理を。泥つきのごぼうは、表面をタワシでゴシゴシ洗う程度で皮を取り除くことができます。それでも泥が気になるようなら、皮を包丁の背でこすり、こそげ落とすようにすれば簡単に汚れを落とすことができます。
「アク抜きのために酢水につける」という下処理をしている人も多いかもしれませんが、最近のごぼうはアクが少ないのでアク抜きをしなくても大丈夫。アクの正体は「ポリフェノール」で、旨味や風味が詰まっています。もしアク抜きをする場合は5分程度にとどめて、せっかくの成分が流れ出てしまわないように気をつけましょう。
いつもとちょっと違うレシピ<揚げる>
☆ごぼうと椎茸の唐揚げ☆
ボリューミーなのにお肉なし!のヘルシーメニューです。
<材料>およそ2人前
ごぼう 60g(20cmくらい)
生しいたけ 5枚
※しょうゆ 大さじ1と1/2
※五香粉 小さじ1
※生姜汁 小さじ1
※小麦粉 1/4カップ
菜種油 適量
<作り方>
1. ごぼうはさっと表面を洗って、皮付きのまま縦に2等分し、5cm長さに切る。しいたけは石づきを除いて縦3等分に切る。
2. ごぼうとしいたけをポリ袋に入れて袋の上から麺棒などで繊維がバラバラになるまでたたき潰す。
3. ボウルに移し、※印を加えて混ぜ、ざっくりと一口大程度に小さくまとめる。
4. フライパンに菜種油を深さ1cmほど入れて中火で熱し、3.を入れてこんがりと揚げたら(焦げやすいので火加減に気をつけてください)出来上がり♪
☆ごぼうの揚げ煮☆
粉山椒が爽やかな辛味のアクセントに。
<材料>およそ2人分
ごぼう 100g(30cmくらい)
小麦粉 大さじ1強
菜種油 適量
※水 1/3カップ
※しょうゆ 大さじ1と1/2
粉山椒 少々
<作り方>
1. ごぼうはさっと表面を洗って、皮付きのまま5cmの長さの細切りにし、ポリ袋へ入れて小麦粉を加える。袋を膨らませて振り、ごぼう全体に小麦粉を薄くまぶすようにする。
2. フライパンに菜種油を深さ1cmほど入れて中火で熱し、1.を入れてこんがりと揚げて、油を切っておく。
3. フライパンをきれいにして、※印を合わせて入れ火にかける。沸騰したらごぼうを加えて、とろみがつくまで全体を混ぜながら煮汁を絡める。器に盛って粉山椒を振ったら出来上がり♪
いつもとちょっと違うレシピ<茹でる・煮る>
☆ピリ辛スープ☆
ごぼうが出汁に変身。滋味豊かなごぼう本来の味を楽しんで。
<材料>およそ2人分
ごぼう 60g
ごま油 大さじ1
水(または昆布出汁) 2カップ
みそ 大さじ2
コチュジャン 小さじ1/2
すりごま(白) 大さじ2
万能ねぎ(小口切り) 少々
糸唐辛子 少々
<作り方>
1. ごぼうはさっと表面を洗って、皮付きのままささがきにする。
2. 厚手の小鍋にごま油を熱し、ごぼうを入れて、弱火〜中火で甘い香りがするまでじっくりと炒める。
3. 水を加えて煮立たせ、みそ、コチュジャン、すりごまを加える。
4. 器に盛って、糸唐辛子と万能ねぎを散らせば出来上がり♪
☆マヨコーンサラダ☆
大人も子供も大好きな味で、大量に作ってもあっという間になくなります。
<材料>
ごぼう 2本
コーン缶 1缶
マヨネーズ 大さじ2
コンデンスミルク 小さじ2
酢 小さじ2
<作り方>
1. ごぼうはさっと表面を洗って、皮付きのままきしめんのようにピーラーで長くそぐ。
2. 鍋に湯を沸かし、ごぼうを入れ、好みの硬さになるまで茹でる。
3. ごぼうを軽く絞り水気を切り、コーンを加えて、全体をほぐし合わせる。
4. 調味料を全て加え、全体をざっと混ぜたら出来上がり♪
参考
オリーブオイルをひとまわし
天然生活レシピbooks/株式会社 地球丸