災害食としていろいろな食料品を備蓄していると思いますが、気づいたら賞味期限が切れていたり、どのように食べたらよいか迷うことがあるかもしれません。備蓄している食料品をそのままにするのではなく、普段の食事に取り入れてみましょう。定期的に食べることで、賞味期限切れを防ぐことができ、調理方法にも慣れるので、災害時に慌てることなく安心して食事をすることができます。
今回は、いざという時に役立つポリ袋を使った調理法や、乾パンや缶詰などを使ったアレンジレシピをご紹介したいと思います。災害時に不足する野菜を摂るために、豆やトマトジュース、レーズン、海苔などを入れた料理を考えてみました。
災害時に温かい食事を。ポリ袋を使った調理法とは?
災害食として備蓄する食料品といえば、乾パンや缶詰、乾物、レトルト食品などが挙げられます。これらの食料品は、水道やガス、電気などライフラインが使用できない時には、そのまま食べることができるので便利です。ただ、ガスや電気が使用できない時でも、カセットコンロと鍋、皿、ポリ袋があれば、温かい食事をとることができます。
では、早速ポリ袋を使った調理法についてご紹介します。ポリ袋で調理をする際は、次のことに気をつけてください。
【ポリ袋調理の基本】
・ポリ袋は加熱処理のできる耐熱性のものを使用する
・できるだけ空気を抜いて袋の口を結ぶ
・鍋に耐熱皿を敷き、その上に置く
・袋が鍋肌に当たらないようにする
・ポリ袋を熱湯から取り出す時はやけどに注意
鍋の大きさに合わせてポリ袋を数個入れられるため、一度に複数の料理を作ることができるのも嬉しいですね。
今回は生米からご飯を炊き、同時にホットケーキミックスを使った蒸しパンも作りました。ご飯は、飲料水が貴重なことと災害時の野菜不足を解消するために、水の代わりにトマトジュースを使い、蒸しパンにはレーズンを入れてみました。
「アサリのトマトごはん」~トマトジュースで野菜不足を解消
【アサリのトマトごはん】
<材料(2人分)>
・米 1合
・トマトジュース 1缶(160ml~200ml)
(缶の量によって、少し水を加え200mlにする)
・アサリの水煮缶 1缶
・塩 少々
・こしょう 少々
<作り方>
①ポリ袋の中にすべての材料を入れて、袋の上から手で揉む。
しっかりと空気を抜き、できるだけ袋の上の方で袋の口を縛る。
②水を入れた鍋に耐熱皿を敷く。
③②の鍋に①のポリ袋を入れて30分煮る。
④30分経過したら、お湯から上げて5~10分ほど蒸らして出来上がり。
「レーズン蒸しパン」~ホットケーキミックスは様々なレシピに活用できます
【レーズン蒸しパン】
<材料(2人分)>
・ホットケーキミックス 200g
・豆乳 200cc
(今回は常温保存できる豆乳を使用しましたが、牛乳でも良いです)
・レーズン 適量
<作り方>
①ポリ袋の中にすべての材料を入れて、袋の上から手で揉む。
しっかりと空気を抜き、できるだけ袋の上の方で袋の口を縛る。
②水を入れた鍋に耐熱皿を敷く。
③②の鍋に①のポリ袋を入れて20分煮る。
④20分経過したら、蒸しパンがしぼまないように袋に穴をあけて出来上がり。
*今回は同じ鍋で調理したので、米のポリ袋を入れて10分経ってから蒸しパンのポリ袋を入れました。
「乾パン和風ピザ」~乾パンにひと手間かけてアレンジ
次に、備蓄している食料品にひと手間かけたアレンジ料理を作ります。乾パンはそのまま食べられますが、今回はピザ生地にしてみました。
【乾パン和風ピザ】
<材料(2人分)>
・乾パン 40粒
・豆乳 100cc
(今回は常温保存できる豆乳を使用しましたが、牛乳でも良いです)
・焼きとりの缶詰 2缶
・パプリカ 1個
・チーズ 適量
・味付け海苔 適量
・油 適量
<作り方>
①ポリ袋に乾パンを入れ、袋の上から叩いて細かく砕く。
②①の中に豆乳(または牛乳)を入れて、しばらくおく。
③②の乾パンが柔らかくなったら、袋の上から丸く平らに伸ばす。
④焼きとりは大きい物は1㎝角くらいに切り、パプリカは細切り、海苔は刻んでおく。
⑤油を入れたフライパンに、③の乾パンを入れて焼く。
⑥乾パンの表面がパリッとしてきたら、裏返す。
⑦1、2分焼いたら火を止めて、乾パンの表面に焼きとり缶のたれを塗る。
焼きとり、パプリカ、チーズをのせて、蓋をして2,3分焼く。
⑧チーズがとけたら、火を止めて海苔をちらしたら出来上がり。
「切干大根とツナの和え物」~切干大根は水ではなく缶詰の汁でもどします
【切干大根とツナの和え物】
<材料(2人分>
・切干大根 30g
・ツナ缶(水煮缶) 1缶(今回はコーン入りを使用)
・レトルト豆(又はミックスビーンズ) 1袋
・マヨネーズ 適量(なくても大丈夫です)
<作り方>
①すべての材料をポリ袋に入れる。ツナ缶の汁も入れる。
袋の上から手で揉みこみ、しばらくおいたら出来上がり。
(水煮缶は汁があるので、水を使わずに切干大根をもどすことができます)
防災レシピを作ることで、防災について考えるきっかけに
防災レシピを普段の食事に取り入れると、災害時でも食べ慣れた食事をとることができるので、安心感につながります。また、定期的に食べることで、賞味期限切れを防ぐことができるだけでなく、食事をしながら家族や友人と防災について考えるきっかけ作りにもなりますね。ぜひ、普段の食事の延長として、備蓄している食料品をいろいろな料理に活用してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した料理は一例です。「トクする!防災」でもオススメの備蓄レシピを紹介していますので、自分の好きな食材に変えてみるなど、ぜひ試してみてください。