立春を過ぎ、暦の上では春がやってきました。陽射しが暖かく感じられる日もあれば、空気が乾燥して肌寒い日もまだまだ続きます。風邪の流行や花粉、ホコリの飛散など、春先は鼻から喉、気管、肺といった呼吸器系の不調に悩まされる人も多いのではないでしょうか。今回は、この時季にぜひ試したいアロマオイルを用いた対処法をご紹介します。
まずは予防!「うがいとお風呂」でシンプルケア
鼻や喉などの呼吸器は、空気と一緒に細菌やウイルス、ホコリなどの異物が常に侵入してきます。予防の第一歩は、入り口でシャットアウトすること。
アロマオイルを吸入することで、鼻から肺までの気道を殺菌・消毒し、さらに粘膜から精油成分を吸収させることができます。風邪の原因となる細菌やウイルスを抑える「抗菌、抗ウイルス」や、炎症や咳を抑えて過剰な粘液や痰を排出する「抗炎症、鎮咳、去痰、抗カタル」といった作用のあるオイルを用いた、うがいやアロマバスがおすすめです。
◎うがいレシピ
・ティーツリー 1滴
・レモン 1滴
《作り方》コップに200mlほど水を入れ、精油を加えてかき混ぜる。
アロマオイルを使ったうがいは、病原菌が進入しやすい喉を殺菌して風邪を予防し、喉の乾燥や痛みを和らげることが期待できます。
◎風邪予防のアロマバス
・ユーカリ・ラジアータ 2滴
・ラベンダー 2滴
・天然塩 20g
・クレイ(粘土)20g
《作り方》
ガラスの容器などに、材料を入れてよくかき混ぜる。
アロマオイルとともに天然塩、クレイ(カオリン、モンモリオナイト、ガスールなど)をお風呂に入れると、保温効果が持続します。体を温め、質の良い睡眠をとって、体調を整えましょう。
風邪気味の日は、「スプレーと軟膏」でセルフケア
咳や痰が出るのは体が細菌と戦っている証拠。体の治癒力を応援するアロマオイルと、痰を排出する作用があるユーカリなどを上手に取り入れましょう。
◎すっきりアロママスクとアロマスプレー
・ペパーミントまたはティーツリー 1滴
・ユーカリ・ラジアータ 1滴
・マスク(立体型)
《作り方》
立体型の使い捨てマスクにアロマオイルを垂らす。
※香りが強すぎると感じたら、スプレー容器に無水エタノールを5ml入れて、上記のオイルを各6滴ずつ希釈して精製水を25mlを加え、よく振ってからマスクにスプレーする。
外出時に大活躍するマスクとスプレー。さらに、レモン、ローズウッドを1滴ずつ加えると、香りがよりマイルドになり、アロマオイル同士の相乗効果も期待できます。スプレーの場合は、4種類のオイルを各3滴ずつに。
◎風邪の緩和に!塗ってケアする軟膏
・ティーツリー 4滴
・ユーカリ・ラジアータ 6滴
・ラベンサラ 5滴
・みつろう軟膏(市販の無香料クリーム)30g
《作り方》
軟膏やクリームにアロマオイルを加え、よくかき混ぜる。
鼻水、鼻づまり、咳、痰など、一般的な風邪の症状の緩和が期待できる軟膏です。首から胸、喉、あごの下から耳、肩から背中にかけてやさしく塗ります。鼻の通りを良くしたい時には、ペパーミントを2滴ほど加えてみましょう。
つらい喉の痛みに。いつでも便利な「マウスウォッシュとマウススプレー」
乾燥や異物から喉を守るお助けアイテム。外出時も携帯して、1日に数回使用しましょう。喉の痛みの緩和に役立ちます。
◎いつでも使える!マウスウォッシュ
・ティーツリーまたはユーカリ・ラジアータ 2滴
・レモン 3滴
・無水エタノール 小さじ1杯程度(5〜10ml)
・ペットボトルの水または緑茶 500ml
《作り方》
無水エタノールにアロマオイルを希釈し、ペットボトルの水か緑茶にそのまま加える。必ず1日で使い切る。
※無水エタノールがなくても作成可能
※高熱が出る、喉に化膿がある場合は、必ず医師の診察を受けましょう
爽やかな香りの自家製うがい薬。ペットボトルに入れて持ち歩くと、いつでもうがいができます。緑茶を用いると、より殺菌効果を高めてくれます。
◎爽快!マウススプレー
・ペパーミント 2滴
・ティーツリーまたはニアウリ・シオネール 2滴
・レモン 2滴
・無水エタノール 3ml
・水 27ml
《作り方》
スプレー容器に無水エタノールを入れ、アロマオイル加えて希釈する。水を加えよく振ってから使用する。
※保存期間は2〜3週間
※食品添加物の許可受けたアロマオイルを使うと安心です
マウスウォッシュよりも保存期間が長く、携帯用に便利。喉に痛みやいがらっぽさを感じたら、シュッとスプレー。
抗菌、抗ウイルス作用のある、ティーツリー、ユーカリ・ラジアータ、レモン、ペパーミントの4種類は、今の季節にぜひ揃えておきたいアロマオイル。その日の気分や好みに合わせて、香りを楽しみながら春先の不調をケアしましょう。
【アロマオイルの取り扱いについて】
・100%純粋で天然のものを使用しましょう。
・敏感肌の人はパッチテストをしてから使用してください。
・赤ちゃんには基本的に使わないようにしましょう。
参考文献
和田文緒 『アロマテラピーの教科書』新星出版社 2015