早いもので、1月も後半に入りました。今年は初詣に行かれましたか。そもそも、初詣はいつまでに行けばよいのでしょうか。もし、行けなかった場合は?
今回は、初詣に行った人にも、行けなかった人にもおすすめの、1年の祈願にぜひ訪れたい「特別な縁日」についてご紹介します。
初詣は、いつまでに参拝すればいいの?
年が明けてから、はじめて地域の氏神や菩提寺に参拝する初詣。最近では、有名な神社仏閣にお参りすることも増え、お正月の一大イベントになっていますね。
初詣は江戸時代の中期にはじまったといわれ、明治以降に広まりました。江戸時代の初詣は、その年の恵方に当たる寺社に参拝すると運気が上がるとされていたそうです。今は恵方といえば、節分ですね。2019年の恵方は「東北東」です。
初詣の期間ですが、実は特に決まりはありません。一般的には1月3日までの三が日、もしくは、正月の終わりとされる小正月(1月15日)までが初詣にあたるとされることが多いようです。
意外と知られていない、「縁日」と「お祭り」の違いとは
お正月の余韻がある1月15日までに初詣に行けなかった場合は、1月中に各地の寺社で行われる「縁日」に訪れてみましょう。「初弘法」「初天神」「初不動」など、「初」がついた縁日は格別の賑わいをみせます。
縁日とは、その寺社と縁のある神仏の供養や祭祀を行う日。例えば「初弘法」は、真言宗の開祖である弘法大師(空海上人)が旧暦835年3月21日に入寂(にゅうじゃく、没すること)したことから、大師の命日にちなんで行われる縁日です。
このように、縁日とは神仏の世界に何らかの由来のある日、つまり有縁(うえん)の日のこと。縁日にお参りすると、神仏の世界と縁を結ぶことができ、よりご利益があるとされているのです。
一方、お祭りは、主に五穀豊穣の感謝や祈り、鎮魂のために、神仏や祖先をまつる儀式のこと。そのため、春夏秋冬でさまざまな祭りが執り行われます。縁日もお祭りも多くの人で賑わい、屋台や出店が立ち並びますが、異なる意味合いがあるのですね。
「初」のついた縁日には、特別なご利益がある!?
普段以上のご利益があると信じられる縁日ですが、特に年の最初に行われる「初縁日」は、より特別なご加護を願う人々が各地から訪れ、大変な賑わいをみせます。
これから行われる代表的な縁日は、21日の「初弘法」、24日の「初地蔵」、25日の「初天神」、28日の「初不動」があります。
なかでも京都の「東寺」は、弘法大師が平安京に開いた最初の真言宗の寺院であることから、1月21日の初弘法には、その年の無病息災を願って全国から参拝者が訪れます。この日は「弘法の市」が立ち、骨董品や各地の特産品や植木などの露店が境内に並びます。
「川崎大師(神奈川)」では、20日・21日の2日間に渡って初弘法が行われ、多くの人が参詣します。この日に祈祷された護摩札には、特別に「初大師修行」の朱文字が入るそうです。
24日の初地蔵は、「とげぬき地蔵尊 高岩寺(東京)」など、全国の地蔵尊をまつる寺でさまざまな行事が行なわれます。
25日の初天神は、「北野天満宮(大阪)」「湯島天神(東京)」、28日の初不動は、「成田山新勝寺(千葉)」「高幡不動(東京)」などがあります。
家内安全、無病息災、厄除けなどは、1年のはじめに祈願しておきたいもの。初詣にまだ行っていない人も、行った人も、特別なご縁を結ぶ「初縁日」に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
岡田芳朗・松井吉昭『年中行事読本』創元社 2013