2019年がスタートしました。新年の飾りの縁起かつぎで飾られる実のある草木。特に赤い実をつける万両、千両、南京は代表格ですが、この違いご存知でしょうか?さてこの写真の草木は?本日は、実のある植物に注目していきます。
千両と万両の違い
晩秋から年初まで千両と万両の赤い実が季節を彩ります。
共に常緑小低木ですが、千両はセンリョウ科、万両はヤブコウジ科に分類されます。最大の違いは、実の付き方。千両の実は上向き、万両は下に垂れ下がります。重くて垂れ下がるので万両、上向きは千両、このほか、もっと低木で実付が少ない百両、十両と呼ばれる草木もあるようです。
年末年始の切り花では、葉の上に赤い実がよく見え、見栄えがよいためか千両の方が多く流通しています。赤だけでなくオレンジ色などの千両もありますよ。
のど飴にもなる!有能な南天
こちらも縁起のよい草木です。“難を転ずる”として“難転”→“南天”。見た目の華やかさだけでなく、生け花では長く花もち(実もち)がします。さらに、実は咳止めなどに効くとされのど飴が有名です。葉は殺菌、防腐効果があります。赤飯のうえに南天の葉を置いたり、お正月料理に南天の葉を敷いたりするのは、飾りだけでなくこのような効果があったのですね!古人の知恵に改めて感服いたします。
お金の廻りがよくなる?“金銀融通”は何の実?
こちらも新年の縁起のよい食べ物として知られています。
金は金柑です。直径3センチくらいの実で熟れたものは生の新鮮なものでも食せますが、皮の部分に最も甘味とうまみがあり、お正月料理では皮つきのまま甘煮したものが定番ですが、最近は洋菓子などで使われるのもみかけます。銀は銀杏、字の通りイチョウの実ですが、煮たり炒ったり揚げたり、御酒のアテとしても人気です。融通は柚子。お料理にも相性抜群の柚子です。もう食べられた方もいるのでは?また皮には香りの効能もあり体も温まるということで柚子湯も良いですね。
金銀融通の縁起担ぎの始まりは、西早稲田の寺社の冬至祭。穴八幡、放生寺、高田水稲荷神社の3つの寺社で、銀杏や金柑がはいった守り札が人気だったとか。守り札を恵方にむけて貼り、金銀富貴、商売繁盛、開運招福を祈願したそうです。
本年も実り多い年となりますように、健やかな1月をお過ごしください。