本日3月4日は三線(さんしん)の日。平成5(1993)年に琉球放送が提唱して、3(さん)4(しん)のごろ合わせから、制定されました。正式には「ゆかる日(縁起の良い日)まさる日(優る、勝るの重ね言葉)さんしんの日」というそう。家に眠っている三線をこの日だけでも一斉に弾けるようにという思いが込められており、3月4日はラジオから流れる正午の時報に合わせて、祝いの席には欠かせない「かぎやで風」の三線演奏が始まります。
三線と三味線、どこがちがう?
三線とは呼んで字のごとく、三本の弦を渡した弦楽器。
三線の原型は大陸で生まれ、14世紀頃に琉球に伝わったと言われています。見た目は三味線を小ぶりにした形で、両面に蛇皮を張った木製の胴に棹をつけ、角 (つの) 製の爪形の義甲を人差し指にはめて弾きます。
その後、琉球と薩摩や江戸幕府との交流により、本土に伝わっていきましたが、本土では蛇の皮は、手に入れにくかったためか、猫や犬の皮で胴をつくるようになり、三線とは違った音色へと変わっていくことにより、三味線へと変形していきました。
三味線が広まると、逆に本土では三線を知る人は少なくなり、次第に三線は、沖縄三味線や、琉球三味線、沖縄蛇味線、沖縄蛇皮線など、いろいろな呼び方がされるようになりました。
参考:コトバンク
「さんしんの日」の始まり
「さんしんの日」は、元琉球放送ラジオ局長の構想を実現したもの。終戦記念日や6月23日慰霊の日の正午には、宗教の枠を超えてすべての人々が平和を祈るように、沖縄中を一つにして同じ想いが共有できるのではないかという発想のもと、古典音楽の代表曲で、沖縄の祝いの席には欠かせない「かぎやで風(かじゃでぃふう)」を正午から毎正時ごとに演奏(唱)するアイデアが生まれました。
ラジオの時報音の正時を示す音は、三線の調弦C調と同じで、「かぎやで風」の最初の音と同じだそう。
沖縄の家々ある、あるいは国内外の各所にわたった三線が、一斉に同じ音を奏でるというロマンが込められた、イベントなのです。
参照:RBC琉球放送
さんしんの日のイベント
3月4日は、沖縄県内はもちろん、県外の会場やハワイ、ブラジル、ロンドン、台湾で、日本時間の12時ジャストに、かやぎで風の音色を聴くことができます。また、関東、関西、東海、九州エリアの各地でさんしんの日にちなんだ演奏会も実施されているので、お近くのイベントをのぞいてみてはいかがでしょうか。
●さんしんの日のイベント
三線のどこか懐かしい音色が、一足早い春を呼び込んでくれるかもしれませんね。