まだまだ寒い日が続き、日本海側を中心に広い範囲で雪が降っています。頬を刺すような冷気に、今年は「使い捨てカイロ」を活用されている方も多いようですね。
さて、そんな誰もが一度は使ったことがある「使い捨てカイロ」は、実は日本のメーカーが開発した20世紀の大発明品。海外ではその機能性に驚く人が多いスグレモノなのですが、使ったあとも有効活用できる方法があることをご存じですか? 今日はその再利用法と処分法をレクチャーします。
使い捨てカイロの原理と原料の特性を知ろう
まずは「使い捨てカイロ」の原理と原料を確認しましょう。
●使い捨てカイロの熱……鉄が錆びる(=酸化)ときに発するエネルギー
●使い捨てカイロの原料……【鉄粉・水・塩分・活性炭・バーミキュライト】など
各原料の役割は以下の通りです。
・鉄粉……熱を帯びる物質。錆びることで発熱する
・水……鉄粉を錆びさせる
・活性炭……表面の気孔に空気を取り込んで酸素の供給を促す
・バーミキュライト……保湿剤。表面の小さな穴に水分を吸収し、発熱を促す
・塩分……触媒剤。燃焼を促進させる
どうせなら、使い捨てカイロを再利用しよう
ここからが本題です。原料の特性を活かした利用法をお教えします。
◎消臭剤として再利用
活性炭に消臭効果があるため、使用済みのカイロを靴にそのままいれておけばOK。クローゼット全体を消臭したいのなら、カイロの中身を小皿などにうつして活用しましょう。
◎除湿剤として再利用
鉄粉、活性炭、バーミキュライトに湿気を吸い取る効果があるため、下駄箱やクローゼットの除湿剤としても活用できます。
◎ガーデニングに再利用
バーミキュライトは、もともと農業や園芸で使われる土壌改良用の土。保水性、保肥性、保温性にすぐれ、植物にとって生育しやすい環境を作り出します。また、カイロの主原料である鉄粉は、土壌の鉄分補給に効果的です。
※ただし、カイロには発熱反応を促す塩分が含まれているので、カイロから取り出した状態では使えません。塩分を除去するために、コーヒーフィルターを使って、ろ過する必要があります。目安として「カイロ1袋」で150~200ccの水をゆっくり注いで、ろ過しましょう。
最後まで使い切ったカイロはゴミとして処分します。その際の処分方法をしっかり確認しておきましょう。
◎自治体の区分に従って処分する
多くの使い捨てカイロには「使用後は、市区町村の区分に従ってお捨てください」と明記されています。同じ東京都でも、可燃か、不燃か、区によってわかれます。地域によっては、金属ゴミになることもありますので、必ず確認してから捨てましょう。
―― 再利用法の変わりダネは、陶芸です。陶芸の粘土にカイロの粉を混ぜて焼くと、土に鉄分が加わり。作品の重厚感が増すと言われています。最近では、家庭のオーブン作れる陶芸キットなどもあるようですから、興味のある方はぜひ試してみてくださいね。