これから1年でもっとも寒さが厳しくなる季節がやってきます。そんな折、京都では昔から「水菜が並ぶようになると冬本番」と言われたそうで、「水菜」は今が旬の京野菜です。
あっさりとした味からは想像できませんが、実は「水菜」は非常に栄養がつまった野菜。サラダにしてよし、鍋に入れてよしの使い勝手のよい水菜……。旬の今こそ、ぜひ味わいたいものです。
水菜ってどんな野菜?
「水菜」は京野菜のひとつで京菜とも呼ばれます。今ではハウス栽培が進み、一年中手に入りますが、本来は寒さが厳しくなるころが旬の野菜です。
また、「壬生菜(みぶな)」も京菜と呼ばる水菜の仲間。水菜にはない、少しピリッとする辛さが特徴です。
実は栄養たっぷりな水菜。どんな栄養を含んでいるの?
さっぱりとした味から栄養があまりないと思われている「水菜」ですが、実は優れた栄養価を持つ野菜。次はその栄養価についてのお話です。主な栄養素は以下の通り。
◎ビタミンCが豊富
風邪の予防や疲労回復、肌荒れ防止に期待がもてます。
◎カロテンが豊富
体内でビタミンAに変換され、免疫力を高める効果に期待がもてます。
◎ミネラルが豊富
カルシウムやマグネシウムが豊富で、骨の健康維持に期待がもてます。カリウムも豊富で高血圧予防にも期待できます。
◎食物繊維が豊富
腸内環境を整え、便秘の解消や美肌にも効果があると言われています。
◎アリルイソチオシアネート
水菜や壬生菜など、アブラナ科の植物にはアリルイソチオシネアートという成分が含まれます。アリルイソチオシアネートはわさびに含まれる成分で、血栓の防止作用があると言われています。また、抗酸化作用も高く、動脈硬化の予防にも期待がもてます。
シャキシャキの水菜の下ごしらえの仕方
シャキシャキとした食感がたまらない水菜は、生で食べるのがおススメ。調理する時は、食感を失わないためにも、煮すぎたり、漬けすぎたりしないことが大切です。
では早速、水菜をおいしく食べるための下ごしらえの仕方についてご紹介しましょう。
◎水菜をおいしく食べるための下ごしらえ
●根元を水につける
茎や葉がしんなりしやすい水菜は、根元を水に浸けてしばらく置くとハリが戻ります。
●根元部分を洗う
根元は土がついている場合もあるので、ボールに水をはり、根元を切ってから、手で丁寧に洗いましょう。
●塩もみする
生で食す場合は、刻んだものを軽く塩もみすると、少ししんなりして食べやすくなります。
材料さえあれば10分程で完成しちゃう「水菜のはりはり鍋」もおすすめ
◎水菜のはりはり鍋
水菜と言えば、はりはり鍋ですね。そもそもはりはり鍋は鯨肉と水菜を用いた近畿地方鍋料理でしたが、今では鯨肉の代わりに豚肉が使われます。作り方は簡単なので、夕食にトライしてみては?
●材料(材料の分量はあくまで目安です。お好みで材料や味付けは調整してくださいね!)
■豚肉(しゃぶしゃぶ用/一人前100g程度。多く食べたい人はスーパーのパックなら2つでも!)
具材もお好みで鶏もも肉やキノコ類や白菜などをアレンジしても◯!
■ひと口大にカットした油揚げ(油抜きしたもの/2〜4枚)
■水菜(2分の1束〜1束)、長ねぎ(1本)
■だし汁(300〜400mL)、しょうゆ(大さじ1)、酒(小さじ1〜2)、みりん(小さじ1〜2)、塩(ひとつまみ)
1 土鍋にだし汁、しょうゆ、酒、みりん、塩をあわせて火にかけ、煮立ったら豚肉を入れ、アクを除きながら火を通す。
2 1に油揚げ、水菜、長ねぎを適宜加え、ひと煮立ちしたら完成。
これなら簡単ですね。熱々のシャキシャキ感をポン酢などで楽しんでくださいね。
──「水菜」は畑の作物と作物の間に水を引き入れて育てたことからその名が付いたそう。最近では生食に向けた「サラダ水菜」も出まわっているようです。ぜひ、旬のみずみずしい水菜を食べて、美肌を手に入れましょう。