冬になると、北海道の子どもは「ツナギ」を着せられます。ツナギといっても、作業着ではありません。足から手と首までをすっぽり包み、ファスナー1ヵ所で着脱可能、フードがついている防寒着です。暖かくて機能的。保育園のお散歩タイムになると、“ツナギ軍団”が手をつないで元気よく歩いています。
これ1枚着れば外に行ける。ファスナーが1ヵ所で、脱ぎ着しやすい。
ツナギは別名「ジャンプスーツ」とも言われます。「カバーオール」と言うこともありますが、どちらも、おしゃれ着というニュアンスが強く、やはり、極寒に耐えられるような防寒着となると、「ツナギ」という言い方がしっくりきます。
足から履き、次に手を通し、ファスナーを上げれば装着(?)完了。足首と手首にゴムが入っているので、外からの風や雪が入ることはありません。また、必ずフードがついているので、とりあえずツナギが1枚あれば、外に出ることができます。
北海道の子どもたちは、だいたい幼稚園くらいまではこのツナギを着ていますが、小学生になると、上下分かれたものに“進化”します。
「足カバー」があれば、靴の中に雪が入らない。
ツナギの足のすそを防寒靴の中に入れてしまうと、靴のフチから雪が入ってしまいます。そこで、ツナギの足首のゴムをググッと伸ばして靴を覆えば、靴の中に雪が入ることはありません。
でも、この方式だと、遊んでいるうちに足首のゴムが膝まで上がってきて、靴の中に雪が入ってしまいます。そんな時に便利なのが「足カバー」です。
レッグウォーマーのような作りで、上側にはゴムが入っていて、膝下から落ちないようになっています。一方、下側にはゴムのベルトのようなものがあり、靴の上から土踏まずのあたりに引っかけるようにします。足カバーで靴から膝下までをすっぽり覆えば、雪の中で飛んだり跳ねたりして遊んでも、靴の中に雪が入ることはありません。
トイレを済ませてから着せるのがコツ。
暖かくて便利なツナギですが、唯一の弱点は、トイレに行く時に不便だということです。上下がつながっているので、トイレで下だけ脱ぐことができません。脱がせようとモタモタしているうちに…、ということにもなりかねません。ツナギを着る前にはトイレを済ませる、というのが鉄則です。
小さいうちから本格的にスキーを滑る子どもであれば、上下が分かれるスキーウェアを着ますが、ちょっとした雪遊びならツナギが便利です。そして、何よりもその姿が、まるで着ぐるみを着ているようで、なんとも微笑ましく思えます。晴れた冬の日に、ツナギを着た保育園児が手をつないでお散歩をしている姿を見ると、旭山動物園のペンギンのお散歩のようで、思わずニッコリしてしまいます。
気温が氷点下の日でも、北海道の子どもたちは元気に外で遊んでいます。これから北海道では冬のイベントが目白押しです。お子さん連れで北海道を訪れる方は、ツナギがあると便利かもしれません。