クリスマスまでのカウントダウンが始まっていますが、クリスマスが終わると年末・年始もすぐ! 年末・年始は忘年会や新年会が相次ぎ、ついつい食べ過ぎてしまいそうですが、そんなときに気になるのがコレステロールの摂り過ぎです。
といっても「コレステロール」とは何か、きちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。今日はよくわからないけど気になる……そんな「コレステロール」のお話。きちんと理解して年末・年始の暴飲暴食に注意しましょう。
コレステロールって何だろう
コレステロールは人間の体内に存在している脂肪分のひとつ。
コレステロールと聞くと、体によくないイメージを持たれているかもしれませんが、「細胞膜を作る」「性ホルモンや副腎皮質ホルモン、胆汁酸などを作る」材料であり、また、「ビタミン類を代謝」する役割を担うなど、人間の体にとって欠かすことのできない大切な成分です。
●コレステロールが体によくないと思われているのはなぜ?
上記のようにコレステロールは人間の体にとってなくてはならないものであり、私たちは食品から日常的に摂取しています。
体内のコレステロールの量は体に備わる恒常機能によって一定に保たれるものなのですが、何らかの原因によって血液中のコレステロールの量が増加すると、動脈硬化が起こりさまざまな病気を引き起こします。
つまり、病気の原因という面だけがフォーカスされがちのため、コレステロール=悪と思う人が多くなってしまったようです。
コレステロールには善玉と悪玉がある!?
血液検査では一般的に「総コレステロール」「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」「中性脂肪」を測ります。早速それぞれについて解説していきましょう。
●総コレステロール(TC)
血液中に含まれるすべてのコレステロールの総量。数値は加齢に伴い増加し、男性では50代、女性は60代がピークとされています。
■健康診断の結果が書かれた判定用紙ではおおよその目安として、130〜219(値 mg/dl)が「正常」の範囲とされることが多いようです。
●LDL(悪玉)コレステロール
肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ「運送会社」のような役割を担っています。値が増えすぎると血管中にたまって、動脈硬化を起こす危険性が高まります。このことから日本動脈硬化学会では、総コレステロール(TC)より、LDL(悪玉)コレステロールで判断したほうが合理的とした診療指針の改定も行っています。
■健康診断の結果が書かれた判定用紙ではおおよその目安として、60〜119(値 mg/dl)が「正常」の範囲とされることが多いようです。
●HDL(善玉)コレステロール
小腸などで作られ、動脈にたまったLDLを引き抜いて肝臓に回収する働きをします。HDLコレステロールが少ないと、動脈壁へのコレステロール沈着が増え、脳梗塞、虚血性心疾患、腎不全、肝硬変、糖尿病などに進行する可能性があります。
■健康診断の結果が書かれた判定用紙ではおおよその目安として、40〜99(値 mg/dl)が「正常」の範囲とされることが多いようです(女性の場合は50~109mg/d)。
●中性脂肪(TG)
糖分(主食、アルコール、甘いもの)の摂り過ぎや運動不足で増え、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、動脈硬化を進行させます。特に食べすぎ、アルコールの摂りすぎで値が上昇しますが、検査前日だけアルコールを控える方も多いようですね。そうした方は日常的な節制をぜひ心がけてくださいね。
■健康診断の結果が書かれた判定用紙ではおおよその目安として、30〜149(値 mg/dl)が「正常」の範囲とされることが多いようです(女性の場合は50~109mg/d)。
── 今回の記事では、コレステロールに関する基礎知識をおさえました。実はよくわからないけど、気になる「コレステロール」について意味が理解できたところで、次回は、コレステロール値が気になる方への「食生活に関するアドバイス」をお届けします。
参照:ソニー損保HP