11月に入り、今年最後の三連休が終わってしまいましたね。紅葉狩りを思いっきり楽しんだ方も多いことでしょう。でも、季節は着実に冬に向かって進んでいます。
そんな季節に旬を迎えるといわれる「サワラ」ですが、実はこのサワラを漢字にすると「魚へんに春」と書きます。さらに俳句では春の季語となっており、春が旬の魚と思っている方も多くいらっしゃいます。
そこで質問です……。サワラの旬は、冬? それとも、春? 今回はそんな素朴な疑問にお答えしましょう。
サワラの旬は、冬なのか? 春なのか? 真相に迫ります
まずは「サワラ」についての基本をご紹介しましょう。
●「サ」は「狭い」
●「ワラ」は「ハラ」が転じたもので「腹」
……マグロを細長くしたような体形から「サハラ」になった言われます。サワラは、【サゴシ→ヤナギ→サワラ】と成長とともに名前を変える出世魚で、体長70㎝以上のものを「サワラ」と呼びます。
実は、「サワラ」には旬と言われる時季が2つあるのですが、その時季は「春」と「冬」。
●「春」が旬ととらえるのは関西地方
●「冬」が旬ととらえるの関東地方……といわれています。
でもなぜ、地域によって旬が異なるのでしょう。
サワラは5~6月にかけて、産卵のため瀬戸内海に集まってきます。昔からこの時季にたくさん獲ることができたため、関西では春が旬と認識されてきました。関西では、刺身や京都の白味噌で漬けた西京焼きが好まれます。また、産卵前のサワラの卵巣は味もよく、真子と白子を一緒に食べる食文化があります。
一方の関東では、産卵期前の脂がのった12~2月の「寒鰆」が好まれるため、旬は冬だと認識されています。塩焼きや西京焼き、寿司ネタとしても人気です。
サワラの栄養価と、調理ポイントとは!?
サワラはサバ科に属しているため、脳の活性化につながる DHA、動脈硬化を予防するEPAなどが豊富に含まれています。
また、カリウムの含有量が多いも特徴で、高血圧の予防改善にも効果が期待できます。
ほかには、良質なタンパク質とビタミンB2も多く含まれており、疲労回復や免疫力を高める効果も期待が持てます。
西京焼きが人気のサワラですが、こんなに豊富な栄養が含まれているとあっては、さらに人気に拍車がかかりそうですね。
そんなサワラの調理ポイントもしっかり押さえておきましょう。
●塩焼きは塩でシメてから
サワラはホロホロと身割れしやすいことは、西京焼き好きの方ならわかりますよね。よって、調理時の扱いには注意が必要です。丁寧に扱って身崩れしないように努めてくださいね。
これから店先に出まわる寒鰆は脂がのっているので、塩焼きがおススメ。軽く塩を振ってシメてから焼くときれいに焼けます。蒸し物や揚げ物もおいしくいただけます。
── サワラは産卵後の夏以外をのぞけば、おいしい魚と言われています。まずは、せっかくですから到来した冬を楽しむためにも脂がのった寒鰆から味わいましょう。夕食の献立に悩んだ時は、鮮魚コーナーをのぞいてみてくださいね。