すでに盆休みに入っていますが、大渋滞をくぐり抜けて帰省された方や、海外のリゾート地でバカンスを楽しむ方など、様々なようです。今年はお盆の出入国者予想が約165万人と発表されていますが、この数字は昨年度と比較して13%増! 高い伸び率を示していますし、関西空港ではこの時季の出国者数が過去最高の36万5400にのぼるというから驚きですね。
さて、お盆入りの今日8月13日は、あまり知られていませんが「国際左利きの日」でもあります。今日は「左利きの日」にちなみ、左利きについてのお話をします。いつしか私たちには「左利き=器用、天才」というイメージが定着していますが、実際のところはどうなのでしょう。
左利きの日
1992年、イギリスの「Left-Handers Club」という団体が、“左利きの人たちの生活環境を向上させる”目的で、8月13日を「国際左利きの日」として制定しました。
では、なぜこの日になったのでしょう? それは、13日が提唱者の誕生日だったからなのだそう。意外と単純な理由によるものなんですね。
ただし、日本における「左利きの日」は、2月10日であるのをご存じでしょうか。これは「0(レ)2(フ)10(ト)」という語呂合せから制定されました。イギリスと別に日本で新たに「左利きの日」が制定された理由をたどっていくと、8月13日がお盆の時季であり、記念活動等が困難だと考えられたことにゆえんします。
なぜ左利きになるの?
人類全体において、左利きの割合は10%程度と言われています。なぜ、左利きが少数なのかは、はっきりとした理由はわかっておらず、さまざまな説が存在します。真偽のほどはさておき、その説のいくつかをご紹介します。
●環境説
利き手がしっかり決まってくるのは3〜4歳くらいであり、生まれてからそれまでに左手を使うことが多かった子は、自然と左利きになるという説。
●胎内決定説
母体の胎内での成長過程や出産時に、左脳を圧迫する何らかの事態が起こり、左脳を補おうとして右脳が活発になるという説。
●遺伝説
遺伝とする説もあるが、一卵性双生児でも利き手が異なる場合があり、信ぴょう性は少ないと考えられている。
●自然選択説
右利きの戦士は右手に武器、左に盾を持って戦う。左利きの戦士はその逆となり、左半身にある心臓を危険にさらし致命傷を負う確率が高くなるため、結果、右利きの人間が多く生き残るという説。
ただし、心臓が体内のほぼ中央に位置すること、盾が廃れた時代になっても左利きが増えないことなどから、信ぴょう性は低いとされている。
結局、どの説が有力かわからないのですが、それだけに人類全体の10%程度しかいないレフティは「ミステリアスな存在」ともいえるでしょう。
左利きはすごいのか? 左利きの著名人
左利きは、器用だとか、天才が多い……という印象をもたれていますが、これも明確な根拠はないようです。けれど脳の構造から言えることもあります。それは……
↓ 左手は右脳に、右手は左脳につながっている。
↓ そのため、右利きの人は左脳(思考・論理)が、左利きの人は右脳(知覚・感性)が発達する。
↓ 左利きの人は、右手も左手を使いこなせる人が多く、右脳と左脳をバランスよく使っていると考えられる。
↓ よって、左脳と右脳をつなぐ脳梁という部分が発達する。
結果、左脳と右脳と連携頻度が早くなり、処理能力があがる。
実際に左利きの著名人にはどんな人がいるのでしょう。
●芸術系
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、モーツァルト、バッハ、ベートーヴェン、ピカソ、チャップリンなど
●理数・物理系
エジソン、アインシュタイン、キュリー夫人、ダーウィン、ニュートン、ビル・ゲイツなど
●米国大統領
レーガン、ブッシュ、クリントン、オバマなど
古くは、「左利き」は行儀が悪い……ととらえられることが日本ではありました。また、武士は刀を持つ手を統一するため、右利きに矯正されたという話もあります。右利きに矯正された実話として記録に残っている人物には、16世紀の戦国時代の武将・松永久秀や、陸軍軍人であり、第40代内閣総理大臣、外務大臣などを歴任した東条英機が知られています。さらに、文豪・夏目漱石、俳聖・正岡子規も左利きであったと言われています。
── 左利きについては、いまだに解明されていないことが多いのですねが、みなさんの周りに左利きの人はいますか。その人はどんなタイプの行動をとる人でしょう。注目してみると、新たな傾向や天才とおぼしきなんらかの萌芽が見つかるかもしれませんね。