4月2日は、『国際子ども本の日』です。国際子ども本の日は、子どもの本を通して国際理解を深めることを目的に、第1回国際アンデルセン賞名誉賞の受賞者であるイエラ・レップマンによって定められました。
みなさんは、『子どもの本』と聞いてどんな本を思い浮かべますか?きっと誰にでも、小さい頃に読んだ忘れられない本があるのではないでしょうか。
今回は、大人も読みたい『子どもの本』をご紹介します。
『小さなノーベル賞』とも呼ばれる国際アンデルセン賞。受賞者にはあの有名な作家も?
4月2日は、『みにくいアヒルの子』や『おやゆび姫』で有名な作家、アンデルセンの誕生日です。彼の作家としての業績にちなんで設立された『国際アンデルセン賞』は、その選考水準の高さから『小さなノーベル賞』とも呼ばれています。2年に一度、国際選考委員会によって選ばれた受賞者に賞状とメダルが授与されます。
国際アンデルセン賞、初めて耳にする人も多いのではないでしょうか。しかしこの賞、誰もが知ってる有名な作家も受賞してました。それは、1966年受賞者のトーベ・ヤンソンです。
トーベの代表作であるムーミンシリーズは、もともと作家ではなく画家として生計を立てていた彼女が、戦時中に書き始めた物語です。第一作目である『小さなトロールと大きな洪水』は戦後間もなく出版されましたが、出版された当初はなかなか脚光を浴びませんでした。しかし後に彼女の作品がイギリスで出版されたことをきっかけに、ムーミンシリーズは子どもから大人まで、そしてフィンランド国内だけではなく世界中で、多くの人々に愛される作品となったのです。
トーベはムーミンシリーズで有名となりましたが、彼女は他にも『誠実な詐欺師』や『少女ソフィアの夏』など、様々な作品を残しています。国際子どもの本の日である今日をきっかけに、ムーミン以外のトーベ作品を読んでみるといいかもしれませんね。
親子で読みたい日本人作家たちの作品
国際アンデルセン賞は、日本人作家も受賞しています。1994年受賞者のまど・みちおさんと、2014年受賞者の上橋菜穂子さんの二人です。
詩人・童謡作家であるまど・みちおさんは、25歳の時に北原白秋によってその才能を認められました。104歳でこの世を去るまでに残した数々の作品は、今でも多くの人々に親しまれています。まどさんの作品である『ぞうさん』や『やぎさんゆうびん』、『一年生になったら』など、みなさんも幼稚園や小学校で歌ったり耳にしたことがあるのではないでしょうか。
『ぞうさん』は、鼻が長いことでいじめられた象が、凛とした態度で「たしかに鼻が長くてみんなと違うけど、大好きなお母さんと一緒なんだよ」と応えたことを書いた詩なのだそうです。私たちが小さい頃に何気なく耳にしていた詩をこうやって読み返してみると、いろいろと考えさせられますよね。なつかしの童謡が詰まったまどさんの詩集を買ってみてはいかがでしょうか。子どもの頃には気付かなかった発見があるかもしれませんよ。
2014年に国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子さんは、『精霊の守り人』をはじめとした『守り人』シリーズで有名です。『精霊の守り人』は、漫画・アニメ・ドラマなど様々な形となって、子どもだけではなく大人まで多くの人を楽しませてくれています。今年の11月にはドラマの最終章が放送されるので、それにあわせて小説もチェックしてみてくださいね。
<参考・参照サイト>
JBBY(一般社団法人日本国際児童図書評議会)
ムーミン公式サイト『トーベ・ヤンソンについて』
まど・みちお100の世界
視点論点『まど・みちおさんの言葉と心』
上橋菜穂子公式サイト 木漏れ陽のもとで