週末にはクリスマスを控え、大晦日まではあと10日あまりとなりました。年の瀬を迎え、気忙しいなかでも毎日を大切に過ごしたいものですね。天候の方は、クリスマス前に広く寒気が流れ込むようです。体調を崩さないようにしっかり寒さ対策をしましょう。今回は、今が旬のクリスマス料理に欠かせない野菜をご紹介します。風邪対策にも役立ってくれるかもしれません!
クリスマス料理に欠かせない野菜は、実は嫌われもの!?
イギリスやアメリカの伝統的なクリスマス料理に欠かせない野菜といえば、「芽キャベツ」。メインディッシュとなる七面鳥やガチョウのローストには、必ずといって良いほど芽キャベツが添えられています。芽キャベツはこの時季に旬を迎える冬野菜。ベルギーのブリュッセル近郊が原産地とされ、英語では「ブラッセル・スプラウト(Brussels sprouts)」と呼ばれています。
芽キャベツはキャベツと同じアブラナ属で、日本には意外に早く明治時代に伝わったそう。コロッとかわいいひとくちサイズが特徴の芽キャベツは、葉の付け根に出てくる脇芽が結球したもので、70センチ程に伸びた茎に約7〜80個も実ります。その様子は、パックで売られている芽キャベツからは想像できないユニークさ!イギリスの市場などでは、茎についたままワイルドに売られていることも多いそうです。
実はこの芽キャベツ、イギリスでは苦手な人が多い野菜としても名を馳せているとか。特に子どもには不人気の様子…。大好きなお肉の横に添えられた温野菜は、たしかに子どもには邪魔な存在かもしれませんね。
とはいえ、イギリスでは「芽キャベツを食べないとクリスマスを迎えられない!」というほど、芽キャベツはこの季節の風物詩となっているのです。なんとも不思議な存在感を放つ芽キャベツですが、その栄養価を知ると、この野菜がもつ魅力やこの時季に食べる理由が明らかに!?
小さいのに、キャベツをはるかに凌ぐ栄養価
芽キャベツは一般的なキャベツに比べ、栄養分の含有量がとても豊富です。風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があるといわれるビタミンCはキャベツが41mgなのに対し約4倍の160mg(可食部100g当たりの栄養素の量)!このビタミンCの量は群を抜いていて、野菜全般と比較してもトップクラスです。血液の凝固促進や骨の形成に貢献しているビタミンKもキャベツの約2倍も含んでいます。
現代人が不足しがちなビタミンB群やカリウム、鉄などのミネラルも極めて豊富です。特にビタミンB1、B2は、炭水化物や脂質の代謝に必要不可欠な注目の栄養素。食物繊維もキャベツの3倍という優秀さで、便秘の予防はもちろん、血糖値の上昇やコレステロールの上昇を抑制する水溶性食物繊維も含んでいます。
小さなからだにギュッと栄養分を凝縮している芽キャベツ。旬の今、たっぷり食べたい魅力がつまっています。選び方のポイントは、葉の緑色が鮮やかで、巻きがしっかりとしたものを見分けて。また、小ぶりなサイズで、固そうなものの方が旨味が強いそうです。保存方法は、乾燥を嫌うので水で湿らせたキッチンペーパーなどで包んでから、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
美味しい!今すぐ試したい、芽キャベツレシピ
クリスマス料理の付け合わせとして、この季節に脚光をあびる芽キャベツですが、脇役にするのはもったいない!アメリカでは、そのヘルシーさから芽キャベツはレストランやデリで人気のメニューになっているそう。
今回は、イギリスの伝統的なクリスマス料理としてつくられているクラシックなレシピと、人気急上昇のじっくりローストして味わうレシピの2種類をご紹介します。芽キャベツの魅力を引き出す異なる調理法を、ぜひ試してみてくださいね。
★芽キャベツのワインビネガー風味(8人分)
・芽キャベツ 700g
・オリーブ油 大さじ2
・にんにく 2かけ(薄切り)
・玉ねぎ 中1個(薄切り)
・ワインビネガー 60cc
・バター 大さじ2
・塩、こしょう 少々
〈作り方〉
1、熱湯に芽キャベツを入れ、ふたをして5分ゆで、冷水に入れて冷やし水気をよく切る。
2、フライパンにオリーブ油を熱して、にんにく、玉ねぎを入れ、透き通るまで炒める。
3、そこに芽キャベツを加え、数分炒めたあとワインビネガーを全体にかけ、混ぜ合わせ、バター、塩、こしょうで味を整える。
★芽キャベツのトリュフロースト(2人分)
・芽キャベツ 20〜22個
・(A)トリュフペースト 大さじ3、オリーブ油 大さじ3
・塩、こしょう 少々
〈作り方〉
1、芽キャベツは芯の根元をうすく切りおとし、変色した葉は取りのぞく。
2、Aを混ぜて芽キャベツにまぶし、耐熱皿に並べる。180℃に熱したオーブンに入れて20〜30分焼く。最後に軽く塩、こしょうをふる。