恋とクルマと音楽と:コラムNo.11
「恋とクルマと音楽と」今月は、新年に向けて心の大掃除月間として、いろいろなものをさらけ出すことにしましたので、じわじわとギリギリのやつを書いていこうと思います。
まずは、冬のマジックロードのお話。
チリもホコリも水分も少ない澄み渡ったこの季節だから出来る天使のいたずら。
深く魔法がかかると天使ではなく悪魔と言えなくもないのですが…
と、こんなお話を書いていきますので、いつも以上に空想の入り込む余地のある”きをくさんの写真”に心を寄せて、このコラムを読み進めていただけるとありがたい限りです。
夜空のマジックロード
都会生活に電車移動が便利なのはわかるのですが、たまには、無駄なように見える渋滞時間も受け入れクルマ活動日を作ってみてはいかがでしょうか。無駄がかけがえのない贈り物をもたらすこともあるのです。
ということで、いろいろと調べてみたのですが、この季節の夜景がきれいなのは、簡単に言えば乾燥と風によってホコリや水滴などが空に少ないことが大きな理由のようで、映画のワンシーンのような場面を僕らが体験する裏には、宇宙や地球の営みが深く関係しているようです。
ぜひ、恋に発展しそうな関係…発展してほしいと願う相手のいる”特に男子諸君”、
宇宙の営みが味方することに賭けて、”ドライブしませんか?"というアクションを、この冬、起こしてみてください。
ちなみに東京の話となってしまいますが、世田谷と横浜方面をつなぐ第三京浜の下り線や六本木方面からレインボーブリッジに向かう首都高速台場線あたりが、僕の知る夜空のマジックロードとなります。
やさしさへの贈り物
もう30年近く前の冬のある日、足にケガをしている女性を浦安方面にお送りしたことがありました(実話)。
忘れもしない渋谷界隈でのイベント終了後のことです。
特に親しいわけでもなかったのですが、たわいもない話をしながら走っていると、お台場の海が見えた瞬間、目の前に巨大で美しい夕焼け空が広がり、ふたりとも「あっ」と声をだし、そのあと数分間沈黙が続くこととなったのでした。あの場所は、少し上り坂で海が見える予感すらしないので、突然、この世のものとは思えないオレンジの空が目の前に広がった瞬間、隣の彼女が恋人であるかのような錯覚にとらわれ、最寄りの駅まで送る間、何とも言えない妙な空気がクルマの中を漂い続けました。
「彼女の”あっ”は、なんだったんだろう?」
「ひょっとして、僕と同じような気持ちなのだろうか?」
「食事に誘った方が良いのか?」
「いやっ、駄目だ」
などなど、ナビもSNSも、メールすらない時代、最後は電話番号を聞くか聞かないかの葛藤でしたが、結局は聞かずに終わったという美しい思い出です。
というわけで、今回は大人のラブソング特集ということにして、まずは、クリス・レアさまの包容力満点の大人のクリスマスソング「ドライヴィング・ホーム・フォー・クリスマス」。この曲はクルマでも家でもこの時期の定番ソングとしてプレイリストに入れておいて損はしないと思います。
続いては、夏の恋に思いをはせる名曲、The Carsの「ドライブ」。
ドライブと言えば”夏”という感じがしなくもないのですが、僕は、冬の夕暮れ時が一押し、次に秋の夕暮れ、夏の夕暮れ、春の夕暮れと夕暮れドライブがお勧めする順番となります。
ところで、先に書いた美しい思い出ですが、今だったら簡単に連絡先を交換したでしょうし、あの一瞬の偶然を検索して作為的にもう一度起こしたくなったでしょうし、さてさて、恋愛や男女関係に関して言えば、この便利さや手軽さが良いのか悪いのか…などと考えてしまいますね。
僕的結論は、6:4で、悪い!!!ですが。
ということで、冬空のように不純物の少ない空のような恋がみなさんに訪れることを願いつつ、今回はこの辺で終了。
クルマのラジオ、Amanekチャンネルでは、月に一度の大恋バナ大会はもちろん、走行位置に合わせた天気予報という新体験ができますので、ぜひ一度、聴いてみてください。