もうすぐクリスマス!毎年この時期になると、ポインセチアの鉢植えを購入する人も多いでしょう。
赤と緑のコントラストで、クリスマス気分を盛り上げてくれるポインセチア。クリスマスが終わると放置して枯らしてしまいがちですが、上手に育てれば来シーズン以降のクリスマスにも楽しめるのをご存じですか?
ポインセチアを長く楽しむための管理法や、お手入れのポイントをご紹介しましょう。
暖かい地方が原産のポインセチアは、寒さが大の苦手!
ポインセチアはメキシコ・中米の温暖な地方に生息する常緑の樹木です。
花のように見える赤い部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉で、その中心にある小さい粒が花です。最近は、苞がピンク・白・黄色・斑入りのものや、丸くカールしたものなど、多彩な表情の新品種も見かけるようになりました。
日本ではクリスマスシーズンに出まわるので、寒さに強い植物と思われがちですが、実は寒さが大の苦手。この季節に屋外やベランダに置いておくと、葉が落ちて枯れてしまいます。
ポインセチアに適した生育温度は15~20℃。冬場は冷たい空気や北風を避け、暖かい室内(室温10℃以上)で管理すれば、苞の美しい色を春先まで楽しむことができます。日光を好みますので、日中は日当たりのいい窓際に置くとGOODです。
また、冬は水やりの回数を減らし、鉢土の表面が白く乾いてから与えるようにします。水を与えすぎると鉢土がジメジメして、根腐れすることがあるので注意しましょう。
暖かい時期は「摘心」を施して屋外で管理
最低気温が15℃を超える時期(5~10月上旬)は、日当たりのいい屋外で管理します。
水やりは鉢土の表面が軽く乾いたら、鉢の下から水が出るまでたっぷりと与えます。ただし、日差しの強い夏は日中の水やりはNG。鉢土がムレて根腐れの原因になりますので、朝か夕方に毎日たっぷりと与えてください。
【お手入れのポイント1・摘心】
ポインセチアは暖かくなると枝が長く伸びて、枝先からしか新芽が出なくなってしまいます。5月になったら根元から20センチほどの節目で枝を切る「摘心」を施し、株をコンパクトな形状に整えておきます。
育った枝にハサミを入れるのは、ちょっともったいないようですが、摘心をしないと葉がこんもりと茂りませんので、思い切ってカットしてください。
さらに、固まった鉢根の3分の1ほどを崩して、ひと回り大きい鉢に植え替えると生育がグンと良くなります。
秋になったら「短日処理」をお忘れなく
ポインセチアは、夜(暗い時間)が長くならないと花芽が付かず、苞も色づかない性質があります。これを「短日条件」といいます。
【お手入れのポイント2・短日処理】
短日条件の環境を人為的につくるために、9~10月になったら「短日処理」を施します。毎日、夕方5時~翌朝8時ぐらいまで段ボールなどを鉢にかぶせ、12時間~15時間の暗闇をつくるのがポイントです。
秋でも夜間の気温が15℃以下になる場合は室内に入れますが、照明の光も妨げになりますので、室内でも短日処理を行ってください。
こうして年間を通してきちんと管理すれば、年を経るごとに大株に育ち、5~10年でも楽しめるポインセチア。時間と手間をかけて育てたマイポインセチアは、クリスマスに飾る喜びもひとしおです。
毎年クリスマスにポインセチアを買って、毎年枯らしてしまっている人も、今年から育成にチャレンジしてみてはいかがですか?