
11月5日は「津波防災の日」です。津波は、ひとたび起きれば、その被害は甚大であり、被災範囲も広いのが特徴です。この機会に、津波防災についての関心を持ち、理解を深めましょう。
●11月5日は「津波防災の日」
11月5日は「津波防災の日」です。
東日本大震災を教訓とした「津波対策の推進に関する法律」により、多くの方が津波防災についての関心を持ち、理解を深めていただけるよう、11月5日が「津波防災の日」として制定されました。嘉永7年(1854年)11月5日の安政南海地震(M8.4)で和歌山県を津波が襲った際に、稲に火を付けて、暗闇の中で逃げ遅れていた人たちを高台に避難させて命を救った「稲むらの火」の逸話にちなんでいます。
●津波への備えを
津波も地震と同じく、その発生タイミングや規模をあらかじめ予測することができません。特に海などの水辺に近い所に住んでいる場合や訪れる場合には、そういった危険があることを念頭において備えをするようにしましょう。
①自治体が提供している津波用のハザードマップを確認して、自宅や職場、学校、よく行く場所、よく通る道に津波の危険があるのか事前に把握しておきましょう。ハザードマップで浸水しない予想になっていても、想定をこえる津波が押し寄せたときには浸水する可能性もあります。万が一を想定し、危機感を持っておくようにしましょう。
②ハザードマップなどで、複数の避難場所、避難経路を確認しましょう。地震の後には建物の倒壊や火災などで道路が通れないことがあるので、複数の経路を考えておくことが大切です。避難所や避難場所は災害の種類により異なる場合があります。津波の場合に安全な避難場所はどこか、大雨や洪水とは別に確認しておく必要があります。津波避難場所や津波避難ビルのマークもありますので参考にしてください。避難場所が近くにない時は、ハザードマップを見て安全な近くの高台や頑丈なビルの屋上などを想定しておきましょう。
③万が一に備えた非常用グッズをリュックにまとめておきましょう。非常用グッズの使用期限や消費期限は定期的に確認してください。地震による停電や通信回線が集中してもいち早く正しい情報を入手できるようにしておくことが大切です。津波警報・注意報などの情報をいつでも入手できるように、電池式のラジオを用意しておきましょう。緊急警報放送に対応しているラジオは、緊急時に自動的に電源が入るようになっています。
●津波から避難するときは
津波はとてつもない速度で海岸に迫ってきます。ためらわず、すぐに避難を開始してください。
①あらかじめ決めておいた物を持って避難場所に急いで避難してください。避難場所や高台などに行く時間の余裕がない時は、頑丈なビルの屋上などに避難するようにしましょう。避難は遠くに行くよりも、まずは高い場所に行くことが大切です。はじめて訪れた観光地など地理に詳しくない土地でも、「津波避難場所」マークや「津波避難ビル」マークを目印にただちに避難してください。避難はできるだけ徒歩や自転車で行ってください。東日本大震災では車で避難する人で渋滞が発生しました。足の不自由な人や高齢者など、必要な人が車で避難できるようにしましょう。
②一度安全な場所に避難したら、津波警報注意報が解除されるまでは何があっても戻らないでください。津波は遅れてくることがあり、第1波より第2波、第3波の方が高いこともあります。大きな地震のあとには余震があります。余震によって発生する津波にも注意が必要です。
●津波警報・注意報の種類ととるべき行動
津波は水が一気に押し寄せてくるため威力がとても強く、たくましく見える人でも20~30cm程度の高さの波で流されてしまうことがあります。
大津波警報・津波警報が発表された場合は、市街地などへの浸水の危険性がありますので、一刻も早く高台など安全な場所へ避難してください。津波注意報が発表された場合でも海や川の河口から離れましょう。
予想される津波の高さは、1m、3m、5m、10m、10m超の5段階で発表されます。地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような巨大地震が発生した場合は、最大の津波想定等をもとに津波警報・注意報が発表されます。この場合、最初に発表される大津波警報や津波警報では、予想される津波の高さが「巨大」や「高い」と表現され、非常事態であることを伝えます。津波の高さを「巨大」という言葉で大津波警報が発表された時は、東日本大震災のような巨大な津波が襲うおそれがあるため、ただちにできる限り高いところへ避難してください。
