
東海地方は、17日(木)にかけて雨が降りやすく、影響が長引き、災害級の大雨の恐れがあります。目先の雨のピークは、今夜(14日)から明日15日午前中にかけてで、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県では、「線状降水帯」が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。
●今夜(14日)から広い範囲で大雨に警戒が必要
●17日(木)まで雨の影響が長引く
天気図を見ますと、日本付近には、関東の沖合を進む台風5号や、九州付近に熱帯低気圧、日本海西部にはもう一つ別の低気圧が見られます。台風5号は、この後も北上を続け、明日15日には北海道付近へ進み、その後、温帯低気圧に変わる見込みです。
東海地方は、台風5号の直接的な影響はありませんが、熱帯低気圧や低気圧の影響を受けるでしょう。熱帯低気圧は、次第に不明瞭になるものの、熱帯低気圧や低気圧に向かって流れ込む暖かく湿った空気や、太平洋高気圧の縁を回って流れ込む暖かく湿った空気の影響で、17日(木)まで、雨雲や雷雲が発達しやすい状況が続く見込みです。東海地方は、雨の影響が長引き、災害級の大雨の恐れがあります。
●目先の雨のピーク
今日14日、三重県南部では、午前中から雨が降っています。夜は、広い範囲で雨が降り、大雨に警戒が必要です。
目先の雨のピークは、今夜(14日)から明日15日午前中にかけてです。
線状降水帯が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は以下の通りです。
【三重県】 今日14日夜のはじめ頃から明日15日明け方にかけて
【愛知県・岐阜県】 今日14日夜のはじめ頃から明日15日朝にかけて
【静岡県】 今日14日夜遅くから明日15日昼前にかけて
明日15日午後は、一旦、雨が止んで晴れ間の出る所があるでしょう。雨が弱まっても、急な崖や斜面など、危険な場所には近づかないようにしてください。
●17日(木)正午までに総雨量500ミリ超えの地域も
【予想される24時間降水量(多い所で)】
今日14日正午~明日15日正午時まで
愛知県 200ミリ
岐阜県 200ミリ
三重県 250ミリ
静岡県 250ミリ
その後、明日15日正午~16日(水)正午まで
愛知県 100ミリ
岐阜県 100ミリ
三重県 100ミリ
静岡県 150ミリ
その後、16日(水)正午~17日(木)正午まで
愛知県 150ミリ
岐阜県 120ミリ
三重県 150ミリ
静岡県 200ミリ
17日(木)正午までの72時間予想積算降水量は、東海地方の広い範囲で大雨が予想され、名古屋市内も100ミリ以上が予想されます。特に、愛知県東部や静岡県では濃いピンク色で示される300ミリ以上、一部では紫色で示される500ミリ以上が予想されます。
しばらくの間、大雨への警戒を続けてください。雨雲レーダーを活用したり、土砂災害や浸水害、洪水害に関しては、気象庁のHPにある「キキクル(危険度分布)」で、最新の気象情報を確認するようにしましょう。自治体からの避難の情報に注意し、早めの安全確保を心がけるようにしてください。
土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要です。また、竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうに注意してください。
●線状降水帯とは
線状降水帯とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのことです。同じような場所で顕著な大雨が続くことから、甚大な災害が発生する恐れがあります。
線状降水帯が発生するしくみ(メカニズム)の代表的なものに「バックビルディング現象」があります。これは、風上で次々と発生した雨雲が、発達しながら風に乗って同じような場所に流れ込み、線状の強雨域が形成されるものです。
※発生メカニズムに未解明な点も多く、全ての線状降水帯が同じようなメカニズムになるとは限りません。
線状降水帯が発生する時間や場所を、正確に予測するのは難しいため、いつ線状降水帯が発生しても避難できるよう、普段からの準備や心構えが必要です。事前にハザードマップにて、氾濫の恐れがある河川や、土砂災害の恐れがある所を確認しておきましょう。避難場所や避難経路を決める時に役立ちます。