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台風10号 南寄りに進路変更 本州付近で迷走の可能性も 北陸への影響も長期化か


台風10号は、予報円の中心を通った場合、北陸地方より南側を通る進路に変わってきています。また、北陸地方への最接近も31日午後以降と、遅くなる傾向ですが、台風が本州付近で迷走する可能性が出てきており、影響が長期化するおそれがあります。また、台風接近前から前線や台風周辺の湿った空気の流れ込みなどで、大雨となるおそれがあります。

●台風10号 偏西風に乗れず、影響長期化か 北陸通過の可能性も

非常に強い台風10号は、奄美大島の北をゆっくりとした速度で北上しています。このあとも、台風の速度は遅く、30日に九州を通過するでしょう。その後は進路を東寄りに変えて、31日~1日にかけて四国から紀伊半島付近を進み、2日には本州中部付近を進む予想です。

ただ、これはあくまで台風の予報円の中心を通った場合になります。日本の気象モデル(GSM)は、予報円の中心よりやや北寄りに進んで、31日に北陸地方を直撃する予想となっています。一方、海外のモデルは偏西風に乗れず、台風が迷走すると予想するものもあります。

台風の予報円を見ると、31日までは比較的予報円が小さく、進路や速度が比較的安定していますが、1日になると急激に予報円が大きくなっています。これは、台風が急に速度を弱めたり迷走するモデルがあることを示しており、予報に不確実性が大きいことを示しています。

北陸地方への最接近という観点からは、台風の動きが遅くなる傾向で、予報円の中心を通った場合は31日午後以降と、昨日の予想より遅くなる傾向です。これは海外モデルでも同様の傾向となっています。このため、台風の直接的な影響は遅くなっても、台風周辺の強い暖湿気など、間接的な影響を含めると長期化する傾向となっています。

●北陸地方への影響はいつから

北陸地方では、台風の直接的な影響を受け始める期間は遅くなる傾向ですが、台風周辺の暖かく湿った空気の影響を長い時間受けるため、影響期間が長引くおそれがあります。

30日までは、台風がまだ北陸地方からは離れていますが、局地的な大雨や雷雨に注意が必要です。特にこのあと28日昼過ぎから夜遅くまでは、1時間に30ミリ以上の激しい雨の降る所があるでしょう。土砂災害や低い土地の浸水・河川や用水路の増水に注意・警戒してください。

台風10号の北陸地方への最接近は、現段階の予想で31日午後以降となり、期間が長くなっています。特に31日は大雨と暴風に警戒が必要です。予報円が大きいですが、台風が太平洋側を通った場合でも、山間部を中心に大雨に注意が必要です。過去には平地で雨量が多くなくても、東海地方の大雨により岐阜県側に水源をもつ河川が下流の平地で増水・氾濫したことがあります。

1日も予報円の中心を台風が通った場合は北陸地方に最も近づいている期間となりますが、陸地を長い間通っている段階のため、台風の勢力が弱まる影響で、大雨や暴風のピークは朝までに過ぎるでしょう。ただ、これは現段階での予想です。海外モデルのように、台風が本州付近で迷走した場合は、1日以降も大雨や暴風が続くことも考えられます。常に最新の台風情報に注意してください。

●台風接近前から大雨・短時間強雨 秋雨前線とセットで危険な組み合わせ

台風10号は、まだ北陸地方からは離れた位置にありますが、間接的な影響は既に出ています。28日は、秋雨前線が北陸の沿岸まで南下し、前線に向かって台風由来の暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。このため、大気の状態が非常に不安定となり、夜遅くにかけて局地的な激しい雨や雷雨のおそれがあります。

28日夜遅くにかけては、1時間に30~40ミリの激しい雨が降り、29日6時までの24時間雨量は、石川県で最大で100ミリとなる見込みです。警報級の大雨となるおそれもあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。

北陸地方では、これまでに降った雨や令和6年能登半島地震の影響により地盤の緩んでいる所があり、29日にかけて雨の降りやすい天気が続くため、今後も少ない雨量で土砂災害の危険度が高まるおそれがあります。

●台風接近前までに行う対策は

台風10号の北陸地方への最接近は31日の午後からとなっており、現段階で3日前となっています。台風接近前にやることは、こまめに気象情報を確認し、最新の台風情報でいつごろから雨や風が強くなるか、台風のコースの予想に変化はないかを確認してください。台風の進路や速度の予報は大きく変わることがあるためです。

ハザードマップの確認
雨や風が強まる前にハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を確認しましょう。浸水や土砂災害などの危険の高い場所を確認し、その場所を避けてたどり着ける避難先を決めましょう。その際、複数の避難場所や避難経路を決めておくことが重要となります。大雨による浸水や暴風による倒木・電柱の倒壊により、普段安全に通行できるところが通行止めになるおそれがあるためです。

非常用品の準備
食料や飲料水・照明器具などの備えをしておきましょう。食料や飲料水の賞味期限、照明器具は正常に作動するか?電池は足りているかも確認しましょう。停電に備えて、スマートフォンの充電器は電池式または大容量のモバイルバッテリーがおすすめです。雨や風が強まり始めると思うように動けなかったり、物流が止まる可能性もあるため、なるべく早めに確認するようにしましょう。

側溝などの掃除
浸水対策として、側溝や雨どいなどの掃除をしましょう。ゴミや落ち葉・砂などがたまっていると、排水できずに水があふれて、浸水してしまうおそれがあります。

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