2023年から2024年にかけての年末年始は、例年より気温が高いでしょう。西高東低の冬型の気圧配置が持続しにくく、天気が周期的に変化しそうです。日本付近を低気圧が通過する可能性もあり、例年年末年始は晴れる傾向のある太平洋側の地域でも、雨や雪になるかもしれません。
●2023年から2024年 年末年始の天気予報
日本気象協会は、2023年から2024年にかけての年末年始の天気予報を発表しました。
2023年から2024年にかけての年末年始は、大陸からの冷たい空気の流れ込みが弱い予想で、例年より気温が高くなるでしょう。この期間は、冬型の気圧配置が持続しにくく、日本付近を低気圧が通過する可能性が高いです。全国的に天気は周期的に変化するでしょう。
日本海側の地域ではぐずついた天気が予想されていますが、気温が高いため雪になるのは標高の高い地域が中心で、新潟など北陸でも平地は雨になる所が多い予想です。
太平洋側は曇りや晴れの日が多いものの、天気は周期的に変わり、傘マークがついていない日でも、一時的に雨が降る可能性があるでしょう。今のところ、気温が高い予想のため、仙台など東北の太平洋側でも雪ではなく雨ですが、山沿いなど標高の高い地域は雪になり、タイミングによっては東日本や西日本の平地でも雪になる可能性があります。
年末年始の移動で車を使用する方は、道路状況を必ず確認し、雪道を運転する時は冬用タイヤを必ず着用するようにしてください。
●急な雪解け 注意点は?
暖かくなることで心配されるのが雪解けによる災害や事故です。積雪が多く残る所では、次の3つの点に注意が必要です。
①雪解けによって「全層なだれ」が発生しやすくなります。山に積もった雪が全て滑り落ちる現象で、気温の上昇や雨の後などに多く発生します。過去になだれが発生した斜面や積雪に亀裂が入っている所では、特に注意が必要です。
②気温の上昇によって積もった雪が滑り、「屋根からの落雪」が起こりやすくなります。軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど注意が必要です。また、除雪作業を行う場合は、命綱とヘルメットを装着し、できるだけ複数人で実施するなど、安全を確保するようにしてください。
③雪が多く積もった道路で、気温が上昇したり、雨が降ったりすると、「冠水」のおそれがあります。路肩に集められた雪によって排水が悪くなったり、雪の塊が排水溝を塞いだりしてしまうことがあるためです。大雪のあとの雨は、たとえ大雨でなくても、道路の冠水に十分ご注意ください。
●ノーマルタイヤの危険性
気温が高い傾向ではありますが、年末年始に車で遠出をする際は、道路状況を必ず確認するようにしてください。
雪道をノーマルタイヤで走行すると、タイヤが低温で固くなって吸着性が失われ、路面を摩擦で捉えることができなくなります。このため「滑る」「止まらない」「曲がらない」と、自動車が本来確保しなければならない動きが制御できなくなり、スリップ事故や渋滞の原因につながってしまいます。
雪道を時速40kmで走った場合、ブレーキを踏んでからクルマが止まるまでの距離は、ノーマルタイヤでは冬用タイヤの約1.7倍にもなるという走行実験結果もあります。
雪道でのノーマルタイヤは、とても危険ですので、冬用タイヤやチェーンを必ず装着するようにしてください。雪や雨が降ったあとの路面は凍結していることもあります。一見、路面に雪がないように見えても車の運転には十分な注意が必要です。