昨夜は東京都心で激しい雨が観測され、ひょうが降った所も。きょう26日、日中はいったん全国的に安定した晴れとなりますが、今夜遅く~28日にかけて再び寒気流入で、西から大気の状態が非常に不安定に。局地的に激しい雨や落雷、竜巻などの突風、ひょうの恐れ。
●昨夜は東京都心でひょうも
きのう25日は、日本の上空を寒気を伴った気圧の谷が通過したため、近畿から東北にかけて、局地的に雨が強まりました。
宮城県女川町では昼過ぎに1時間に50.0ミリの滝のような雨が降り、東京都心も夜になってから、局地的に雨雲が急発達し、午後10時までの1時間に30.5ミリの激しい雨を観測しました。
日本気象協会本社のある、東京都豊島区池袋サンシャイン60ビル周辺でも、午後9時前にひょうが降りました。
●今夜遅く~28日 西・東日本を中心に局地的な激しい雨・落雷・竜巻・ひょうの恐れ
きょう26日、日中は安定した晴れの所が多くなりますが、きょう26日夜遅くから28日にかけて日本の上空約5500メートルには、氷点下21度以下のこの時期としては強い寒気が流れ込むでしょう。
このため、西日本から東日本では次第に大気の状態が非常に不安定となり、所々で積乱雲が発達する見込みです。
西日本では28日午前中にかけて、東日本では28日午後にかけて、落雷や竜巻などの激しい突風、局地的な激しい雨に注意してください。
すでに中国地方では、積乱雲の発達しやすい状況となっています。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。また、きのう25日もあちらこちらで観測されたように、所々でひょうが降る恐れもあります。農作物や農業施設の管理にも注意してください。
再び、変わりやすい天気に注意が必要です。
●29日にかけて北日本にさらに強い寒気が流入 天気の急変に注意
北日本もあす27日以降は、次第に大気の状態が非常に不安定となるでしょう
29日にかけては、北日本や東日本の上空約5500メートルに、さらに強い寒気が流れ込むため、大気の非常に不安定な状態が続く恐れがあります。
突然道路が冠水するような激しい雨が降ったり、落雷、竜巻などの突風やひょうが降る恐れがあります。
屋外の活動は天気の急変に十分ご注意ください。発達した積乱雲が近づく兆しがある際には、早めに安全な場所に移動するようにしてください。
●ひょうは春と秋に多い ひょうが降るしくみ
ひょうは、積乱雲(いわゆる入道雲)から降る、直径5ミリ以上の氷の塊です。直径が5ミリ以下の小さいものだと、「ひょう」ではなく「あられ」と呼ばれます。
ひょうが降る時は、地面付近が暖かいのに、上空に寒気が流れ込むことで、大気の状態が不安定になり、積乱雲が発達します。積乱雲の中には強い上昇気流があるので、空気中に含まれる水蒸気から発生した小さな氷の塊は、なかなか下へ落ちることができません。ただ、積乱雲の中で、氷の塊同士がぶつかるなどして、大きな氷の塊に成長すると、重くなって、地上へと落ちてきます。その際、氷の塊が大きいので、とけきれずに落ちてきたものが、ひょうなのです。
季節別に見ると、ひょうが降るのは、地面付近が暖かい一方で、上空に寒気が流れ込みやすい、春や秋が多くなります。夏は、他の季節ほど上空の寒気が強くありませんが、積乱雲が特に発達すると、真夏でもひょうが降ることがあります。
●ひょうの被害と対策
ひょうが降ると、人や車の損傷、窓ガラスが割れる、農作物の落下や裂傷、などの被害をもたらします。ひょうの中には、みかんやソフトボールくらいの大きさになるものもあり、大きければ大きいほど、落下速度が速くなるので、被害が大きくなるおそれがあります。ひょうが降る場合は、次のような方法で、被害を最小限にとどめたいものです。
①ひょうが人へ当たると、ケガをしてしまいます。また、屋外に駐車した車に、ひょうが落ちてくると、傷がついてしまいます。ひょうが降ってきたら、頑丈な屋根のある建物の中へ避難しましょう。
②家の窓ガラスに、ひょうが当たると、ガラスが割れてしまいますので、雨戸やシャッターがあれば閉めておくのがおすすめです。雨戸やシャッターがなければ、カーテンを引いておくだけでも、割れたガラスが室内に飛び散るのを、少しでも防ぐことができます。
③農作物は、事前に網で覆うと、ひょうが直接当たることを防ぐことができます。網は、なるべく目の細かい物を使用してください。また、ひょうが網の上にたまると、その重みで、網が破けることもありますので、網をしっかり取り付けることが大切です。