5日(木)は、寒冷前線が通過し、その後6日(金)にかけて西高東低の気圧配置が強まるでしょう。西や北西の風が強まり、海や山を中心に荒れた天気となるでしょう。新潟では警報級の暴風や高波となるおそれがあります。また、上空に寒気が流れ込むため、大気の状態が不安定で、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうの降ることもありそうです。北アルプスの稜線付近では雪となり、積もる可能性があります。
●寒冷前線が通過後は西高東低に 新潟は警報級の暴風・高波のおそれ 落雷などにも注意
5日(木)は、寒冷前線が北陸地方を通過するでしょう。新潟を中心に発雷確率が高まります。急な強い雨や落雷・竜巻などの激しい突風に注意が必要です。
前線通過後は西高東低のいわゆる「冬型の気圧配置」となるでしょう。6日(金)にかけて等圧線の間隔が狭いため、北西や西寄りの風が強まり、波も高まるでしょう。新潟では警報級の暴風や高波となるおそれがあります。船舶や鉄道など交通機関の乱れが生じる可能性がありますので、最新の気象情報と交通情報に注意して下さい。
日本海の海面水温が高いため、地上付近と上空の温度差が大きくなり、大気の不安定な状態が続きます。落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうの降るおそれがありますので、農作物の管理などにも注意して下さい。
●日本海の海面水温が高い 寒気が流れ込めば予想以上に雨雲が発達する懸念
日本付近の海水温が記録的に高い状態となっており、北陸周辺の日本海も海水温の高い状態が続いています。これは、今夏の記録的な猛暑に加えて、9月の台風の接近が少なかった影響や、風の弱い日が多かったことなどにより、海水がかき混ぜられず、海面水温の低下が抑えられたことによります。
海水は陸地に比べて比熱が大きいので、一度温まったら冷めにくいという性質を持っています。最新の1か月予報では、10月もならすと気温は平年より高い予想とはなっていますが、一時的に寒気が流れ込む時期もあり、こうなると、海面と上空の温度差が大きくなりやすく、大気の状態が不安定になって予想以上に雨雲が発達する懸念があります。
図は10月3日の海面水温ですが、北陸の沿岸では海水温が25度以上となっています。一方、5日夜には上空5500メートル付近でマイナス16度前後の寒気が流れ込みますので、海面の温度との差は40度以上と、大気の状態が非常に不安定となります。
このため、雨雲が予想以上に発達し、局地的な短時間強雨や落雷・竜巻などの激しい突風などのリスクが高まります。同じ位置に雨雲が流れ込み続けた場合は大雨となることも考えられます。土砂災害にも注意が必要になる可能性があるので、最新の情報に十分な注意が必要です。
●立山など北アルプスの稜線では雪 積もる可能性も 登山は冬山装備が必須
5日(木)の昼頃からは、北陸付近の上空約3000メートルには0度以下の寒気が南下し、北アルプス方面では一時的に上空約3000メートルでマイナス5度前後の寒気も流れ込むでしょう。これは、北アルプスの稜線では降水があれば雪となる寒気となります。
北アルプスの稜線付近では5日(木)の昼頃から雪に変わり、6日(金)までは断続的に雪が降るでしょう。積もる可能性があります。風も強いため、稜線では吹雪いて見通しが効かないこともあるでしょう。なお、寒気のピークは6日(金)午前中となり、標高2450メートルの立山室堂付近でも雪となってうっすらと積もる可能性があります。
北アルプス方面は紅葉真っ盛りとなっていますが、雪が降ってもおかしくない時期となっており、場合によっては冬山装備の必要なケースも出てきます。登山道に雪が積もったり氷が張ったりすると夏と比べて格段に難易度が上がります。稜線の縦走を計画されている方は常に最新の気象情報と登山情報を確認し、無理のない計画を立ててください。