北海道は明日(2日)まで割合晴れますが、3日(木)からは広く雨となるでしょう。雨の元となるのは台風5号が南から持ち上げてきた暖かく湿った空気と見込まれ、大雨の恐れがあります。3日から5日(土)頃にかけては道北を中心に大雨に注意・警戒が必要です。
●中国に大雨をもたらした台風5号が北海道へ
中国では台風5号がもたらした暖かく湿った空気の影響で各地で大雨となっており、多数の被害が報告されています。
今日1日現在、この暖かく湿った空気は中国東北区付近に到達しているとみられます。この後、暖かく湿った空気は上空の西寄りの風に流される形で東へ進み、3日には北海道付近に到達する見込みです。
●道北など局地的に記録的な雨となる恐れも 災害に注意・警戒を
熱帯低気圧が大陸をゆっくりと北上したことで、台風5号の成れの果てともいえる暖かく湿った空気の範囲は東西に長く延びています。また、現在、偏西風は日本付近で蛇行しているため上空の風の流れは弱く、もたらされた暖かく湿った空気は長い時間をかけて北海道付近を通過する見込みです。
このため、北海道付近への影響が長引いてしまいそうです。雨が強まったり弱まったりしながら長く続くことで局地的には4日15時までの72時間で200mm近い大雨となる恐れがあります。明日までに排水溝を掃除して詰まらないように準備するなど、対策をするとよさそうです。
上の図は、対象期間内に予想される72時間降水量の最大値と、その降水量がそれぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何割に達するのか、ということを示しています。
これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。
既往最大比は 宗谷地方で100%前後となる地域があり、局地的には大きく上回る地域もあります。甚大な被害の発生する可能性が高まるため警戒が必要です。
※1 既往最大比とは、解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比のこと。
※2 本間基寛,牛山素行:豪雨災害における犠牲者数の推定方法に関する研究,自然災害科学,Vol. 40,特別号,pp. 157-174,2021.