7月の星空や天文情報です。あす7日の七夕は金星が最大光度を迎え、日の入り後の西の空でひと際、明るく輝きます。12日には月と木星が接近、20日には月と金星が接近し、月と惑星のコラボも楽しめそうです。
●「夏の大三角」や「さそり座」に注目
7月は広く梅雨の時期で、星空を見られる日は少なくなってしまいますが、晴れた日には星空を見上げてみてください。
夏の星空の目印になるのが、「夏の大三角」です。「夏の大三角」は3つの1等星、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結んでできる大きな三角形で、暗くなると東の空に見られます。ベガは七夕の「織り姫」、アルタイルは「彦星」で、2つの星の間を天の川が流れています。
また、南の空にはさそり座が見えます。アルファベットのS字を描くさそり座の心臓の位置には赤く輝くアンタレスがあり、アンタレスは夏の星座に含まれる4つの一等星のうちのひとつです。
天の川を背景に輝く4つの1等星と星座は、夏の夜空の見どころです。晴れれば、気軽に外にでて星空を眺めやすい季節です。是非、星空を楽しんでください。
●あす7日「七夕」天の川が見られるところは?
あす7日は七夕。
ちょうど九州から東北にかけては、梅雨の最盛期にあたり、すっきりと晴れた夜空に天の川が見える機会は少なくなります。
ただ、あす7日の夜は、太平洋側を中心に見られるチャンスが大きいでしょう。
九州は雨が降りますが、南部は夜になるとやむ所もありそうです。四国や関東、東北は雲が多めながらも「見える」所があるでしょう。
北海道は局地的に雨が降りますが、天の川が「よく見える」または「見える」所が多くなりそうです。沖縄は晴れて、観察しやすいでしょう。
天の川は、東の空に見える夏の大三角形の間を流れています。観察場所は山や海辺など、できるだけ灯りが少ない所が良いでしょう。
暗い時間帯ですので安全確認を行って、是非、星空を眺めてみてください。
●あす7日 金星が最大光度に
あす7日は、金星が最大光度を迎えます。このころの金星は、マイナス4.7等という明るさで輝きます。これは澄んだ空では、昼間でも肉眼で見つけることができるほどの明るさです。(誤って太陽を見ないようご注意ください。)
金星は日の入り後の西の空で、宵の明星としてひと際、明るく輝きます。肉眼で楽しめますが、機会があれば望遠鏡を使って、金星の形の変化を観察してみてください。このころの金星は望遠鏡で見ると、細く欠けた姿をしています。
20日の日の入り後、金星と月が接近して見えます。マイナス4.7等で輝く金星と細い三日月が並ぶ様子は見応えがあります。
日の入り30分後の金星の高度は10度しかないため、西の方角に空の低いところまで開けた場所で観察してください。
●12日 月が木星に接近
12日の未明から明け方には、東の空で月と木星が大接近して見えます。
下弦を過ぎて舟型に欠けた月と、マイナス2.2等と周囲の星よりも明るい木星が近づき、目を引くでしょう。
なお、次の接近は8月8日です。
夜も蒸し暑い日が続きますが、日中に比べるとだいぶしのぎやすく、晴れれば夜空を楽しむにもちょうど良さそうです。7月の夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。