6月は、九州から関東を中心に記録的な大雨、東北や北海道では記録的な高温になりました。九州から東北の梅雨明けは、平年と大きく変わらず、7月中旬から下旬の予想です。
●6月1日~3日 前線や台風2号の影響で大雨 線状降水帯が発生
6月上旬は、本州付近に前線が停滞しやすくなりました。
そんな中、1日から3日にかけて、台風2号の北上で、前線の活動が活発になりました。高知県や和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県で線状降水帯が発生するなど、九州から関東の太平洋側を中心に大雨になりました。1日から3日の降水量の合計値は、静岡県伊豆市517.5ミリ、三重県鳥羽市507.0ミリなどを観測、たった3日で、平年6月ひと月分の降水量を超えたばかりか、東海や関東では平年6月ひと月分の2倍以上になった所もありました。
●6月28日から梅雨最盛期の大雨
6月中旬から前線は本州の南に停滞しやすくなりましたが、6月28日頃から、日本付近に南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線が、29日から30日にかけて中国華中から日本海に停滞しました。前線の南側にあたる九州や中国地方、四国を中心に雨雲が発達、30日は山口県下関市豊田で1時間に106.5ミリの雨を観測し、統計開始の1976年以降、年間を通して1位の値を更新するなど、記録的な大雨になりました。
7月1日、前線は本州をゆっくり南下し、大雨が続きました。降り始めの6月28日からきょう7月2日正午までの降水量の合計値は、大分県日田市の椿ヶ鼻で531.5ミリ、熊本県湯前町の横谷で505.5ミリを観測しました。これは、平年6月や平年7月ひと月の7割~8割くらいの雨が、数日で降ったことになります。
●6月 東北や北海道は高温に 月平均気温は統計開始以来1位も
6月下旬は、東シベリアから北海道付近で、高気圧の勢力が強まりました。北海道網走地方の北見市では、26日から28日にかけて3日連続で、最高気温が30℃以上の真夏日になり、沖縄県那覇市より高くなりました。6月に北見市の最高気温が那覇市より、3日連続で高くなったのは2014年以来、9年ぶりです。
6月の月平均気温は、札幌市19.3℃、仙台市21.6℃で、統計開始以来、1位の値を更新しました(統計開始は、札幌市1877年、仙台市1927年)。
●梅雨明けは平年と大きく変わらない予想 暑い夏 残暑も厳しい
日本気象協会が、6月29日に発表した梅雨明け予想では、九州から関東甲信は7月中旬、北陸や東北南部、東北北部は7月下旬の予想です。平年と大きく変わらないでしょう。
この夏から初秋(7月~9月)は、地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で、地球全体の気温が高く、特に北半球の亜熱帯域で顕著に高い見込みです。
偏西風は日本付近で平年よりやや南を流れるでしょう。通常、偏西風が日本付近で南に偏る夏は、天候不良や低温傾向です。ところが、この夏から初秋は、地球全体の高温が、これを打ち消すほどでしょう。沖縄・奄美、九州から関東を中心に、盛夏は例年以上に暑さが厳しく、残暑も厳しくなる見込みです。