今週末18日(日)は、今回(12月14日~15日)より一段強い寒気が襲来し、大雪をもたらすJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が形成されるおそれも。昨年・一昨年、この時期にJPCZによる大雪で車の立往生が発生。今週末は、最新の気象情報をこまめに確認して下さい。
●ドカ雪の原因 JPCZとは?
きのう14日(水)~15日(木)にかけて、山形など東北の日本海側から北陸にかけて、24時間で50センチ前後の雪が降り、ドカ雪となった所がありました。その原因は、冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が流れ込んだ事と、JPCZと呼ばれる、日本海寒帯気団収束帯が形成されたことです。
冬型の気圧配置が強まると、シベリア大陸から冷たい風(寒気)が日本海に流れ込みます。この冷たい風(寒気)は、中国と朝鮮半島の境界付近にある長白山脈(最高峰:白頭山2744メートル)により二分され、その風下(日本海)で再びぶつかり収束帯(雪雲が発達しやすいライン)が形成、雪雲が発達しやすくなります。
●日本海 海面水温が高い
大雪のもう一つの原因は、この冬は日本海の海面水温が高い事です。大陸からやってくる冷たく乾いた空気(寒気)は、日本海でたっぷりと水蒸気を補給して、雪雲へと成長します。そのとき、日本海の海面水温が高いとより多くの水蒸気を得るため雪雲が発達、大雪を降らせます。今秋(9月~11月)は、全国的に気温が平年より高く、海面水温は現在(12月14日)も、日本海は平年より3℃前後高い15℃くらいあり、積乱雲が発達しやすい場となっています。
●要注意な天気図
要注意な天気図は、等圧線がくぼんでいる時。JPCZが形成されやすいので注意が必要です。12月18日(日)の予想天気図も、日本海で等圧線がぼこんとへこむ(黄色の点線)予想です。
18日(日)は冬型の気圧配置となり、今回よりさらに強い寒気が流れ込む見込みです。降れば平地で雪となる目安の寒気(上空1500メートル付近でマイナス6℃以下)は、八丈島付近まで南下し、日本列島をすっぽりと覆う予想です。さらに強いマイナス12℃以下の寒気が北日本だけでなく、西日本の日本海側にも一部に流れ込むでしょう。
北海道の日本海側から山陰は広く雪が降り、大荒れや大雪のおそれがあります。JPCZが発生し、北陸周辺の平地でも積雪が一気に増える可能性があります。大雪や吹雪による交通障害に警戒が必要です。九州でも雪が降り、北部の山沿いを中心に積雪となる所があるでしょう。東北の太平洋側や近畿南部、四国でも雪雲の流れ込む所がありそうです。
●昨年・一昨年 ドカ雪で車の立往生発生
昨年(2021年)・一昨年(2020年)も、この師走の時期、JPCZが形成されドカ雪となり、車の立往生が発生しました。
昨年(2021年12月25日~27日)、数年に一度クラスの強い寒気や日本海寒帯気団収束帯 (JPCZ) の影響で近畿北部など西日本を中心に大雪となり、名神高速道路や北陸自動車道が通行止めとなり、迂回する車で集中した国道8号では大規模な立ち往生が発生しました。
一昨年(2020年12月14日~21日)強い寒気の影響で関東北部や北陸を中心に大雪となり、関越道等で多数の車両の立ち往生が発生しました。
●雪道運転 万が一に備えて安心グッズ
移動が多くなる時期です。雪道運転をする場合、立ち往生など万が一に備えて、次のものを用意しておくと安心です。
(1)防寒着やカイロ、毛布など暖をとるもの
暖房がとまってしまった際の車内温度の低下に備えましょう。
(2)飲料水や非常食、モバイルバッテリー、簡易トイレ、懐中電灯
長時間、車内で過ごすことや夜間のトラブルを想定して準備しておきましょう。
(3)ブースターケーブル、 牽引ロープ、タイヤチェーン
バッテリー上がりの際に使用するブースターケーブルや発進不能になったときの脱出に役立つ牽引ロープもあると良いでしょう。スタッドレスタイヤだけでは対処しきれないほどの積雪にも対処するため、タイヤチェーンもあると役立ちます。
(4)軍手、ゴム手袋、長靴、スコップ
除雪ができるものを準備しておきましょう。マフラーが雪に埋まると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を起こすおそれがあります。
雪道を運転する際は、もしものときに役立つグッズをクルマに積んでおくようにしてください。加えて、出かける前に燃料が十分にあることを確認しましょう。ただし、気象情報や交通情報を確認し、大雪や猛吹雪が予想される場合は、外出の予定を変更したり、移動手段を変更したりすることも検討してください。