気象庁によりますと、今年の南極オゾンホールは、最近10年間の平均値より大きく推移し、その最大面積は、2,640万平方キロメートルと、南極大陸の約1.9倍で、最近10年間で2番目に大きいとのことです。南極上空のオゾン層は、年々の変動はあるものの、2000年以降回復が続いています。
●2000年以降は回復が続く
気象庁によりますと、気象庁が米国航空宇宙局(NASA)の衛星観測データもとに解析した結果、 2022年の南極オゾンホールは、9月中旬以降、最近10年間の平均値より大きな面積で推移し、10月5日に今年の最大面積2,640万平方キロメートル(南極大陸の約1.9倍、最近10年間で2番目に大きい)となりました。南極上空でオゾン層破壊を促進する-78℃以下の低温域が例年より継続して広がっていたことが、大きな面積で推移した要因と考えられます。
今年の南極オゾンホールは気象要因により大きな面積で推移しましたが、今年10月に公表された世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)の報告によると、 南極上空のオゾン層は、年々の変動はあるものの、2000年以降回復が続いています。1980年頃の水準に回復するのは、今世紀半ば以降と予測されています。
●オゾンホールとは?
オゾンホールとは、南極の上空にあるオゾン量が極端に少なくなる現象のことです。オゾン層に穴の空いたような状態であることからその名が付けられました。 南半球の冬季から春季にあたる8~9月ごろ発生、急速に発達し、11~12月ごろに消滅するという季節変化をしています。1982年に日本の観測隊がはじめてオゾンホールを発見しました。