本日15日、立山黒部アルペンルートが全線開通しました。名所である雪の大谷の雪の壁の高さは、平年より高い18メートルでした。この週末はアルペンルート全線開通後、初の週末となりますが、山の天気は平地と大違い。週末の天気と注意事項をまとめました。
●立山は多雪シーズン!
今年の雪の大谷の壁の高さは18メートルで、昨年より4メートル高くなりました。昨年は平地では記録的な大雪があったものの、里雪型が多く、山間部の積雪は多くありませんでしたが、今年は山雪型が多く、かつ、寒冬シーズンであったため、立山を含む北アルプスでは昨年より積雪が大幅に多くなっています。
●平地は春でも山はまだ真冬!16日(土)は、午前中を中心に雪。
16日(土)にかけて、一時的に西高東低のような気圧配置となり、上空に冷たい空気が流れ込むでしょう。立山では、今夜は次第に雪に変わり、明日の午前中まで続くでしょう。ふぶいて見通しが悪くなる可能性もあります。立山黒部アルペンルートの運行情報に十分に注意して下さい。また、室堂の予想最高気温は0度に届かない予想で、平地では真冬以下に相当する寒さとなります。お出かけされる場合は真冬の装備が必要です。一方、午後は湿った北東風の影響で、平地の天気の回復が遅れるものの、次第に上空に乾いた空気が入るため、夕方以降は雲海の出現する可能性があります。
●17日(日)は晴れて絶好の写真撮影日和。紫外線に注意を
17日(日)は、高気圧に覆われて、立山でもだいたい晴れるでしょう。日中はすっきりとした青空が広がり、雪と青空のコントラストが楽しめそうです。ただ、山では平地より紫外線が強まります。標高が高い分、その地点から上空の大気の量は少ないので、紫外線は散乱を受けにくくなるためです。一般的に、UVインデックスは標高が1000m高くなると約10%増加するとされていますが、空気の澄んでいる北アルプスなど山間部ではさらに強くなることがあります。また、雪に覆われていれば地面からの紫外線の反射も強く、紫外線の反射率は草地や土では10%以下ですが、新雪の場合は80%に達します。立山方面へお出かけの方は帽子とサングラス・日焼け止めなど、紫外線対策が必須です。また、日中は日差しが強いですが、気温は朝晩ともに平地では真冬以下に相当しますので、防寒対策も忘れずに行いましょう。
●なだれにも注意
この時期の立山を含む高い山では、降雪となる日もある一方で、晴れて気温の高い日もあり、積雪が不安定になっています。まとまった雪が降った直後は表層雪崩に、晴れた日や気温の高い日、雨の降った日は全層雪崩に注意が必要です。これからの季節は特に「全層雪崩」が発生する傾向が高まります。万が一、雪崩に遭遇した場合は、雪崩の流れの端に向かって横に避難しましょう。また、北アルプス方面へ登山を予定の方は入山届を必ず提出し、雪崩ビーコンを携帯するなど、万全の対策が必要です。