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ラニーニャ現象 この冬の寒さと雪の傾向 晩冬~早春は関東なども雪に注意


近年は温暖化の影響で暖冬になることもあります。この冬、何もなければ暖冬の可能性もありましたが、ラニーニャ現象の影響で、これを打ち消す形で、九州など西日本は厳しい寒さになるでしょう。この冬の寒さと雪の傾向です。

●ラニーニャ現象 12月~1月ピークに

気象庁は、11月10日、ラニーニャ現象が発生しているとみられる、と発表しました。日本の気象庁を含め、アメリカ海洋大気庁、ヨーロッパ中期予報センターなど、各国一致して、ラニーニャ現象を12月から1月をピークに予想しています。ラニーニャ現象の基準は、国によって微妙な違いがありますが、2月にかけて続くと予想している国もあります。
ラニーニャ現象発生時は、太平洋の熱帯域で、東部で冷たい水の湧き上がりが平常時より強く、海面水温が平常時より低くなっています。一方、西部には暖かい海水がより厚く蓄積します。このため、インドネシア付近で、対流活動が活発になります。
インドネシア付近で、対流活動が活発になると、インドやチベット付近で、高気圧の勢力が強まり、高気圧と低気圧が東西に交互に現れるようになります。このため、偏西風は、インドやチベット付近で北へ蛇行、黄海や朝鮮半島付近では南へ蛇行し、日本に寒気が流れ込みやすくなります。

●ラニーニャ現象の影響 この冬は定常的に寒気が日本に流入しやすい

10月下旬から、インドやチベット付近で、高気圧の勢力が強まっています。これはラニーニャ現象の影響とみられ、偏西風が蛇行し、黄海から朝鮮半島付近で南下しやすい状態になっています。このため、九州など西日本に寒気が流れ込みやすくなっており、この状況は、2月にかけて続く見込みです。
さらに、2月にかけて、日付変更線付近で、高気圧の勢力が強い予想です。これも日本に寒気が流れ込みやすい原因です。というのも、もともと北半球の冬の時期は、日付変更線付近で高気圧が勢力を強めますが、この冬は、平年より、高気圧の勢力が強く、ブロッキング高気圧が形成されやすいでしょう。日付変更線付近で、ブロッキング高気圧が形成されると、寒気がシベリアから日本に流れ込み、寒気の流れ込みが持続しやすくなります。

●この冬 寒さの傾向

この冬、ラニーニャ現象の影響で、沖縄・奄美、九州から近畿は寒気の影響を受けやすいでしょう。特に12月から1月は、例年より厳しい寒さになる見込みです。東海から北海道では、寒気の影響を受ける時期があり、冬らしい寒さでしょう。
暖房で部屋を暖めるとき、暖かい空気は軽いので、足元が温まるのには時間がかかります。暖房と一緒に扇風機を使用して、部屋の空気が上下に循環するようにするとよいでしょう。節電にもなります。

●この冬 日本海側の雪の傾向

この冬は、寒気が、日本に北からではなく、西まわりで流れ込みやすいことが特徴です。寒気が日本に西まわりで流れ込む場合は、日本海で雪雲が発達し、雪雲が沿岸部に達するときには、すでに発達のピークを迎えます。季節風も強く吹くことがないため、降雪量が多くなるのは、山沿いではなく、沿岸部や平野部です。これは、里雪といわれる雪の降り方で、全国的に日本海側では、沿岸部や平野部での大雪が懸念されます。

●晩冬~早春 関東など太平洋側も雪に注意が必要に

東日本や北日本では、1月以降は気圧の谷の影響を受けやすい見込みです。このため、低気圧が、南西諸島付近で発生すると、本州に近づくことがあるでしょう。いわゆる南岸低気圧といわれる、関東など太平洋側の平野部に、雪を降らせる低気圧です。この冬は、南岸低気圧の影響が、例年より早く出てきて、早春にかけて、例年より影響を受けやすいでしょう。雪に慣れていない東京都心などで、雪による交通機関への影響が出ることも懸念されます。太平洋側の地域の方も、スノーブーツなど用意しておくとよいでしょう。

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