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ラニーニャ現象発生へ 関東などに雪をもたらす南岸低気圧の影響は? 3か月予報


今後、ラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっています。12月には全国的に冬本番になるでしょう。晩冬に関東など太平洋側に雪をもたらすことがある南岸低気圧、この冬は、例年より早く影響が出る可能性があります。

●11月~1月の天候の特徴 ラニーニャ現象が発生する可能性が高い

気象庁は25日、3か月予報を発表しました。太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部で低く、今後、ラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっています。この影響で、インド洋東部から太平洋熱帯域西部では、海面水温が高く、インドネシア付近では、対流活動が活発になり、大陸では高気圧が強まるでしょう。アリューシャン付近でも高気圧が強まり、上空を流れる偏西風は大陸で北へ、日本付近で南へ蛇行する見込みです。このため、日本列島に寒気が流れ込みやすいでしょう。
この影響が出始めるのは、11月後半からの見込みです。11月の平均気温は、全国的にほぼ平年並みですが、11月後半から急に冬の寒さになることが考えられます。
12月から1月は、西日本を中心に冬型の気圧配置になりやすく、沖縄・奄美、九州から関東を中心に、寒気の影響を受けやすいでしょう。12月から1月の特徴は、平均気温は、沖縄・奄美、九州から近畿は、平年並みか低い見込みです。沖縄、奄美は、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。九州から近畿の日本海側は、平年に比べ曇りや雨、雪の日が多い見込みです。太平洋側は、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。
一方、東北や北海道では、11月から1月にかけて、低気圧の影響を受けやすい時期があり、降水量は平年並みか多い見込みです。日本海側の降雪量は、ほぼ平年並みでしょう。

●1月 関東などに雪をもたらす南岸低気圧に注意

1月は、インドネシア付近の対流活動が活発な海域が、西へ移る見込みです。このため、西日本を中心に寒気の影響が続きますが、東日本付近では、状況が変わり低気圧の影響を受けやすくなる可能性があります。冬に関東など太平洋側に雪をもたらす南岸低気圧は、例年では2月に入ってから影響が出ることが多いですが、この冬は1月にその懸念があります。

●2021年のノーベル物理学賞 気象分野での受賞

今年のノーベル物理学賞には、真鍋淑郎さんが、ドイツとイタリアの研究者ととも選ばれました。真鍋さんは、大気中の二酸化炭素の濃度が上がると、地表の温度上昇につながることを明らかにしました。授賞理由について、ノーベルの選考委員会は、現代の気候の研究の基礎になった、としています。
真鍋さんが1960年代に提唱した大気海洋結合モデルは、私たちが日頃から利用している3か月予報や暖候期予報、寒候期予報などに使用されています。

地球の大気や海洋の運動、温度の変化、雲の生成、降水現象、放射や熱の伝達などの過程は、時間変化を含む数式で表されます。大気海洋結合モデルとは、この一連の式から、コンピューターを使って、大気と海洋の状態の両方の時間変化を同時に計算するシステムです。
1か月を超える予報では、エルニーニョ・ラニーニャ現象などのような海洋の変動も大気の変動と併せて予報することが必要になるのです。

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