広島の桜の標本木は、広島市の市街地にある縮景園にあります。
このところ、園内にあるソメイヨシノは、つぼみがピンク色になったものも目立ってきており、標本木はそのトップを切るような早さで、きのうからちらほら咲き始めていました。そして、きょうの午後には広島地方気象台から平年に比べて16日も早く、開花の発表がありました。
1953年の統計開始以来、最も早かった2004年3月19日より8日も早い開花です。
●どうして記録的な早さになったの?
グラフは、広島市中区の昨年11月から今月上旬までの平均気温の変化です。
桜は前の年の夏に花芽が作られ、その後は休眠状態になります。そして、晩秋から初冬にかけての寒さで目覚めた(休眠打破)あと、気温の上昇とともに成長を始めます。
昨年の11月は気温の高い日が多く、「休眠打破」は遅れ気味でしたが、12月からの厳しい寒さで目覚めたものと見られます。
1月の中ごろからは、一転して気温の高い日が続き、その遅れを取り戻しました。しかも、2月の平均気温は統計開始以来2番目の高さで、今月になっても気温の高い状態が続いているため、一段と成長が早まったものと考えられます。
●今後の桜の開花は
この先一週間は、春らしく天気は小刻みに変わりますが、山陽を中心に気温の高い日が多い見込みです。
広島を除く、中国四県の標本木は広島に比べると成長が遅くなっています。
しかし、このあとは気温の高くなる山陽を中心に成長が進み、各地で平年よりもかなり早い開花になりそうです。