北海道付近では、これから21日ごろにかけてオホーツク海高気圧が張り出し、寒気が流れ込みやすくなるでしょう。気温は全般に平年より低く経過し、「リラ冷え」になりそうです。海から冷たい空気が流れ込む稚内からオホーツク海側、太平洋側の沿岸では、日中でも一桁の気温に留まる地域が多くなり、峠や山間部では降りものがあると、雪に変わることもあるでしょう。今のところ、交通に大きな影響がでるような雪の降り方にはならない見込みですが、峠などを通行する際は、念のため気象情報や路面状況にご注意下さい。
●リラ冷えって何?
北海道では、ライラックが咲く頃に季節逆戻りの寒さとなることを「リラ冷え」と呼ぶことがあります。この時期、オホーツク海高気圧が張り出し、冷たい海の上を吹いてきた風が流れ込むことで、オホーツク海側や太平洋側では沿岸を中心に気温が低くなることがよくあるためです。「リラ」とは、フランス語でライラックを意味し、日本語では紫丁香花(むらさきはしどい)と言います。「リラ冷え」という言葉は、俳人である榛谷美枝子(はんがい みえこ)さんの俳句から生まれた言葉で、渡辺淳一さんの小説「リラ冷えの街」で広く知られるようになったそうです。