気象庁は9日、エルニーニョ現象が発生したとみられると発表。エルニーニョ発生時の冬は、北日本を除く地域で暖冬傾向になることが特徴です。ただ、南岸低気圧により、太平洋側で大雪になることがあり、注意が必要です。エルニーニョが発生していた2年前には、東京都心で6センチの大雪がありました。
●エルニーニョ発生時 東日本で高温傾向
気象庁は9日、エルニーニョ現象が発生したとみられると発表。エルニーニョ発生時の冬は、熱帯域で積乱雲の発生が多く、日本付近の上空を流れる偏西風は平年より北に蛇行しやすくなります。このため、北からの寒気の流れ込みは東日本や西日本で弱くなります。天候の特徴は、東日本で高温傾向、東日本の太平洋側で日照時間が平年並みか少ない傾向となります。
●2年前のエルニーニョ発生時 日本の南の低気圧で都心は大雪
エルニーニョ現象が冬に続くと暖冬になりやすく、この冬も東日本や西日本は暖冬傾向と予想されています。ただ、偏西風が北に蛇行する分、日本の南を低気圧が通過しやすくなるため、太平洋側の地域は寒気の流れ込みが重なると雪が降ることがあります。
エルニーニョが発生していた2年前の2016年1月18日、東京都心で6センチ、前橋で20センチ、熊谷で15センチの積雪となり大雪になっています。そのほか、山梨県河口湖で40センチ、長野県松本で33センチの積雪を観測し、九州や四国でも雪が降りました。天気図はその日の朝9時です。低気圧が本州の南岸を進み、関東付近の上空1500メートル付近には、南岸低気圧のときに平地で雪の目安となる氷点下3度前後の寒気が流れ込んでいました。
今年は、東日本、西日本で暖冬傾向と予想されていますが、雪が降る条件が重なると大雪になることもあります。