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【福島良一】ブルワーズは小川邦和、江夏豊ら日本人と昔から縁深くポンセ、ブラッグスら来日多数


【写真】ブルワーズキャンプで監督(右)の見守る前でキャッチボールする江夏豊(1985年撮影)

ワールドシリーズは、ブルワーズがレイズに幸先よく2連勝しました。日本のファンにとってナ・リーグ優勝決定シリーズでドジャースを破ったブルワーズは、あまりなじみがないかも知れませんが、かつては日本球界と最も深い関係があるチームでした。

それは日本人大リーガー第1号の村上雅則投手(ジャイアンツ)しかいなかった時代、1978年にブルワーズがレイ・ポイテビント氏をスカウト兼ファーム部長に任命。中南米をはじめとする世界各地から多くの優秀な選手たちを獲得し、日本人選手獲得にも乗り出したからです。

まずは79年巨人時代に「シピンキラー」で鳴らした小川邦和投手とマイナー契約しました。その年、傘下3Aバンクーバーで救援投手を務めましたが、メジャー昇格には至らず。と言うのも、まだ当時は先発完投の時代でリリーフ投手の役割が確立されておらず、もし今の時代なら間違いなく史上2人目の日本人投手が誕生していたと思います。

85年には何と日本プロ野球史上に残る剛速球左腕、元阪神の大エース江夏豊投手とマイナー契約。メジャーの春季キャンプに招待選手として参加し、大きな話題を呼びました。しかし、オープン戦で左の強打者レジー・ジャクソンにヒットを打たれ、当時36歳という年齢もネックになり、残念ながら開幕メンバーに残れませんでした。

その一方でポイテビント氏は、日本プロ野球や球団オーナーたちと密接な関係にある高位の日本人裁判官の娘と結婚したことで太い人脈を生かし、日本球界に次々と外国人選手を送り込みました。特に当時の大洋(現DeNA)、近鉄に多くの助っ人がやって来ました。

例えば、大洋は「マリオ」の愛称で人気を集めたカルロス・ポンセ、メジャー時代に強肩強打の外野手として鳴らしたシクスト・レスカーノ、マイナー時代に伝説の飛距離約177メートルという超特大弾を放ったジョーイ・マイヤー、90年レッズで世界一の経験もあるグレン・ブラッグスらが代表的な選手でした。

また、近鉄には元オールスター内野手のドン・マネーに長身スラッガーのディック・デービス、ニカラグア出身で超有望株だったデビッド・グリーン、82年リーグ初優勝の中心選手だった超大砲ベン・オグリビーら、枚挙にいとまがないぐらい大勢の選手たちが来日しました。

ところが、84年にマネーは入団早々ホームシックが原因で突如退団。その代役として期待されたデービスは東尾修投手(西武)との乱闘騒ぎや大麻事件を起こし、87年オグリビーも開幕直前に「家庭の事情」で無断帰国するなど問題が続き、一方的に帰国する、わがままな選手やトラブルメーカーも目立ちました。

こうして大の親日家であり、米球界で国際スカウトの先駆者となったポイテビント氏が球団を去ってからは、日本球界との交流がなくなりました。それでも、1969年に球団創設以来初の世界一へあと2勝と迫ったブルワーズを見ていると、当時のことがふとよみがえってきます。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

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