
<日本シリーズ:DeNA-ソフトバンク>◇第1戦◇24日◇横浜
ソフトバンクの上沢直之投手(32)が敵地ハマスタで絶叫した。97球目。強く右足を振り上げ、なりふり構わず腕を振った。1-0の7回2死二塁。一打同点のピンチでギアを上げた。最後は戸柱をこの日最速の151キロ直球でバットに空を切らせた。空振り三振で締め「シャーッ」。クールな男も、あふれ出る感情を抑えられなかった。
「粘り強く投げることができた。大事な初戦で、7回まで投げることができて良かったです」
苦しい滑り出しだった。初回だ。先頭の度会に死球を与えた。しかも初球だ。続く牧に左前打。1死一、二塁から筒香にも左前打を許した。球がすっぽ抜け、制球も定まらない。本来の姿とはほど遠かった。「相変わらず立ち上がりの悪さを見せてしまいました」。だが、慌てない。同満塁で梶原を注文通りの遊ゴロ併殺。本塁は踏ませなかった。
2回以降は粘った。6回まで二塁すら踏ませない内容。真っすぐにカーブ、スライダー、カットボール、フォークなど多彩な球種を織り交ぜた。3者凡退はわずか2度も、勝負どころでの決定打は許さなかった。「(初戦を勝って)1勝があるのはすごく大きいと思う。流れを持っていけるように」と肝に銘じ、負けられない一戦に臨んでいた。
気迫の投球で7回を投げ6安打無失点、4奪三振。レギュラーシーズンに続き今季2度目の“開幕投手”だった。シリーズに限れば自身初の大役。勝利投手とならずも、マウンドで堂々としたたたずまいだった。
