
<高校野球秋季関東大会:帝京三3-1水城>◇20日◇準々決勝◇上毛新聞敷島
帝京三(山梨2位)が水城(茨城1位)を破り、初のベスト4進出を決めた。来春センバツの重要資料となる今大会で4強入りしたことで、春夏通じて初の甲子園出場へ大きく前進した。
同校OBで就任6年目の大牧大輔監督(40)は「60年以上の歴史の中で、OBの方々やたくさんの人が積み上げてきてくださった思いを背負い、ずっと心が苦しかった。でも今日は最後まで生徒たちを信じて戦うことができた。本当に嬉しい」と声を震わせた。
1962年の学校創設から64年。来年4月からは「帝京青峰」へと校名が変更されるため、現校名「帝京三」として挑む甲子園はこれが最初で最後となる。
価値ある勝利をたぐり寄せたのは、主将で4番の大町健琉(たける)内野手(2年)だった。0-0の4回1死二塁。「自分が絶対にランナーを返す」と強い気持ちで打席に入り、真ん中直球を振り切った。打球は左翼席を越える先制2ラン。今大会初戦の専大松戸(千葉)戦に続く2試合連続の13号だ。「自分の良さである思い切りの良さが出せた。結果につながって本当にうれしい」と声を弾ませた。
勝負強さは今夏の山梨大会決勝で培われた。東海大甲府との大一番。5点を追う9回無死一、二塁の場面で代打として起用され、左中間を破る2点適時三塁打を放ち、土壇場で一矢報いた。冬場に取り組んだL字ネットを使った近距離バッティングやスクワット170キロで鍛え上げたフィジカルが、メンタルの強さに昇華していた。
主将としても積極的に声をかけ続けた。6回のピンチや9回の失策の場面でも「冷静に行くぞ」とチームを落ち着かせた。「先輩方から『この秋が甲子園への最大のチャンスだ』と託されていた。勝ち切ることができて本当に大きい勝利」と胸を張った。
大牧監督にとっても報われた瞬間だった。幾度となく壁に阻まれてきた歴史を知る。今夏の山梨大会決勝では東海大甲府に3-5で敗れた。「自分の経験不足から、甲子園がかかった土壇場で生徒を信じ切った采配ができなかった後悔があった」と振り返った。だからこそ、この日は「細々したことは言わず、初球から思い切っていけ」と腹をくくり、選手たちをグラウンドへ送り出した。
準決勝は横浜(神奈川)が相手となる。1失点完投のエース本間湧大投手(2年)は「自分たちの守備からリズムをつくる野球で、できる限りのことをやって勝ちたい」と頼もしく話した。
