
球団史上初のセ・リーグ連覇を果たした阪神。その強さの一因に、若手の台頭があったことは間違いない。
投手では4選手がプロ初勝利を挙げた。23年ドラフト1位の下村海翔投手(24)がトミー・ジョン手術から約2年半のリハビリをへて、8月13日巨人戦(東京ドーム)で初勝利。高卒4年目の茨木秀俊投手(22)も4月に先発で初勝利を挙げた。中継ぎでは剛腕コンビの木下里都投手(25)、工藤泰成投手(24)がフル稼働。ともに7月に初勝利が巡ってきた。育成ルーキーながら7月に支配下登録された神宮僚介投手(23)は8月にプロ初ホールド。白星こそなかったが、今朝丸裕喜投手(20)も高卒2年目で1軍初先発を果たした。
打ってはドラフト1位の立石正広内野手(22)が5月20日にプロ初打席初球初安打。5試合目の同24日に巨人竹丸からプロ初本塁打を放ち、華々しい伝統の一戦デビューを飾った。ドラフト3位岡城快生外野手(23)も4月29日にプロ初安打がV打。レギュラーシーズン7度の登録抹消がありながら、走攻守で存在感を放った。今季支配下登録を勝ち取った嶋村麟士朗捕手(23)と福島圭音外野手(25)もともに初安打をマーク。ドラフト2位の谷端将伍内野手(22)や高卒3年目の百崎蒼生内野手(21)も1軍デビューを果たした。若手では高寺望夢内野手(24)の活躍も欠かせなかった。5月12日にプロ初の先頭打者本塁打を記録するなど、近本光司外野手(31)不在の打線で役割を果たした。
2月の春季キャンプで石井大智投手(29)が左アキレス腱(けん)断裂で離脱。4月には不動のリードオフマン近本が左手首骨折と、主力にアクシデントが重なった。それでも若手が次々と力を発揮し、難局を乗り越えた。
ただ、楽観視はできない。ファームリーグ西地区では首位ソフトバンクに17・5ゲーム差の3位と、実力差は歴然。さらに、主砲の佐藤輝明内野手(27)はメジャー挑戦。1軍に定着し、主力となる選手が不可欠だ。
CSファイナルステージ敗退直後、主将の坂本誠志郎捕手(32)は言った。「このままでは来年、ペナントも取れないと思う」。それは決してマイナスに捉えたことではない。自らに言い聞かせるようだった。「もっともっと成長できる、時間とチャンスをもらえた、そういう風にしないといけないという感覚なので。悔しさをどういう風に取り組んで、どういう風に表現できるか、それぞれ見つめ直して頑張りたいと思います」。若手、中堅、ベテラン、それぞれが課題と向き合い、チームとして高みを目指す。若手はチャンスをつかむべく、実りの秋にする。【村松万里子】
