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ドラフト1位候補に急浮上…ノーノー達成した亜大・川尻啓人 順風満帆ではなかった大学野球人生


【写真】国学院大対亜大 ノーヒットノーランで国学院大に勝利しガッツポーズする亜大・川尻啓人(撮影・河田真司)

<東都大学野球:国学院大0-4亜大>◇第4週第1日◇13日◇神宮

「戦国東都」22年ぶりの快投で、ドラフト1位候補に急浮上した。亜大のエース川尻啓人投手(4年=高岡商)が国学院大戦に先発し、ノーヒットノーランを達成した。9回120球を投げ、許した走者は3四死球と2失策の計5人のみ。春の王者を無安打に抑え、11三振を奪い、リーグ戦初完投初完封に大記録を添えた。東都では04年秋の亜大・山木正博以来、12度目(11人目)の無安打無得点を成し遂げた。亜大は開幕7連勝。このカードで勝ち点を挙げれば22年春以来、28回目の優勝が決まる。

  ◇  ◇  ◇

終盤まで力強い直球がうなりを上げた。川尻は最速153キロの直球を軸に、国学院打線を圧倒。3四死球を与えたが、打者30人を相手に無安打と快投した。5回は四球と自身の失策、犠打で1死二、三塁のピンチを招いたが、「バックが声をかけてくれたので楽しめた」と落ち着いて対応。後続を空振り三振、二直に仕留め、雄たけびを上げた。7回には3者連続三振を奪うと、8回にはこの日最速に迫る152キロを計測。9回は「なんとか捕ってくれ」と最後の打者を遊飛に打ち取り、3者凡退で試合を締めくくった。

ドラ1候補に急浮上した右腕だが、大学野球人生は決して順風満帆ではなかった。期待を背負い、2年時から中継ぎとしてベンチ入りしたものの、思うような結果を残せず。3年秋はリーグ戦開幕前に右ひじを痛め、登板機会を得られなかった。復帰した今季も「長い回を投げるとどうなるか」と慎重にマウンドを重ねる日々が続いた。自身にとって勝負のドラフトイヤー。「不安はやっぱりあります」と率直に胸の内も明かした。

それでも焦る気持ちを抑え、正村公弘監督(63)が「投げ込み、走り込みをする夏」とテーマを掲げる中、地道な練習を継続。秋に成長した姿を見せた。1日の青学大戦では、自身最長イニングを更新する6回1/3を投げ1失点と好投した。 成果の秋となったが、9回を投げ切るのは未知の領域。「体力的にはちょっときつかったんですけど、最後は気持ちで投げ抜いた」と疲労を乗り越え、最後まで腕を振り続けた。好きな言葉は「不撓不屈(ふとうふくつ)」。けがや不振に苦しみながらも、地道な努力を続けてきた右腕が大記録を手に、大きなアピールを果たした。【田島優大】

◆川尻啓人(かわじり・けいと)2004年(平16)10月23日生まれ、富山市出身。桜谷小1、桜谷ファイターズで野球を始め、西部中では富山ヤングベースボールクラブに所属。高岡商3年夏に甲子園出場。亜大では2年春に公式戦デビュー。50メートル走は6秒4、遠投110メートル。目標の選手はドジャース山本由伸。好きな芸能人はT-ALEX(サンライズ)。189センチ、94キロ。右投げ左打ち。

▽巨人木佐貫洋スカウト 前の試合から、打者の方に向かってくるようになり、打者に圧がかかるようになってきた。制球もまとまってきて、今日は力が抜け、いい“間”がとれている。

▽西武秋元宏作副本部長 これだけ真っすぐの出力が高く、スピードもある。今年の大学生の中でも、このアベレージで投げられる投手はいない。楽しみな選手ですね。

▽DeNA八馬幹典アマスカウティンググループリーダー もともいいボールを持っていたが、安定して力を出せるようになった。自信もついてきたんでしょう。上位に入る選手ですね。

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