
<高校野球秋季茨城大会:江戸川学園取手5-2下妻一>◇28日◇3回戦◇JCOMスタジアム土浦
江戸川学園取手が、昨秋県準優勝で関東大会出場の下妻一を破り、42年ぶりの8強入りを決めた。
1-1で前半を終え5回の整備に入った時だった。島崎弘和監督(64)が選手たちに声をかけた。「ノリノリでいきなさい!今までのことを全部忘れて。君たちは明るいんだから。そのムードじゃないと結果は出ないよ。さぁ、ノリノリでいこう!」。それに応える選手の元気な返事が球場に響き渡り、6回の攻撃が始まった。
1死一、三塁から高市啓士朗外野手(2年)が「ここで絶対に1点とりたいと思いました」と、内角の甘い真っすぐを捉え、勝ち越しの右前適時打。2死一、二塁からは滝沢郁大外野手(2年)の左越え適時三塁打でこの回、4点を挙げ勝利を決定付けた。
投げては先発の広瀬健悟投手(2年)が、昨年の選手が残る下妻一打線に対し、遅いスライダーでタイミングを外しながら、丁寧に打ち取り5安打2失点で初完投勝利。「硬くなったら、自分の実力は発揮されないと思いました。監督の言葉で、終盤もリラックスして投げられました」。落ち着いて自分の投球に集中し投げ切った。
長い間、破れなかった壁だった。同校は県内でも有数の進学校。毎年秋は1次予選が終わると定期テストが始まるため、約2週間、全体練習ができない。島崎監督は「1次予選が終わるところまではすごくいい状態で入っていけるんですが、2週間練習ができない後での県大会はいつも苦戦するんです」。いつしか、島崎監督の秋の目標は「8強入り」になった。
今年のチームは「今までで一番弱いチーム」と評するが、それぞれがテスト勉強と平行して練習も欠かさなかった。高市は「朝練習を入れて、夜は空いた時間で素振りをしました」。広瀬は「勉強の合間にトレーニング。自分で走り込みをしました」と、完投する体力を身に着けた。指揮官の「チームがまとまれば何かが起きる」という言葉を信じ、ここぞで力を発揮した。
それぞれの努力で迎えた秋は初戦突破も38年ぶり。選手たちは、伸び伸びと力を発揮し、指揮官の長年の夢をかなえた。「本当に子供たちに感謝です」と、興奮ぎみに話す島崎監督。さぁ次は4強入りへの挑戦だ。「次は4強入りを目指します」と高市。江戸川学園取手の勢いは止まらない。
