
<大相撲秋場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館
63代横綱からしこ名を継承した西幕下筆頭の旭富士(24=伊勢ケ浜)が、碇潟を突き落とし、4勝を挙げて勝ち越し、新十両昇進へ大きく前進した。昇進すれば、初土俵から所要6場所の昭和以降最速タイ(付け出しを除く)となる。同期の東幕下8枚目、天昇山(22=玉ノ井)も無傷の5連勝。天昇山が全勝優勝を果たせば、2人そろって最速タイで関取になる可能性も出てきた。
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関取に最も近い幕下筆頭で、勝ち越しを決めた。旭富士は3度目で成立した立ち合いから、西幕下4枚目の碇潟の左肩透かしをしのいだ。前へ出て土俵際に追い詰め、突き落とし。取組後は取材に応じなかったが、残り2番を待たずに4つ目の白星をつかんだ。
今場所は2日目に黒星を喫した。初めて大いちょうを結び、十両の取組に入った栃大海戦は、物言いの末に敗れて1勝1敗。5日目の西ノ龍戦からは3連勝と立て直した。
「史上最強の新弟子」と注目され、序ノ口デビューからの連勝は歴代3位の25を数えた。7月の名古屋場所9日目に生田目に敗れるまで、佐久間山(後の元小結常幸龍)が持つ最多の27連勝にあと2勝と迫った。その場所も6勝1敗から優勝決定トーナメントを制し、4場所連続で各段優勝。今場所も黒星の後に崩れず、強さを発揮している。
来日したのは15歳だった18年春。神奈川の旭丘高に留学し、卒業後は伊勢ケ浜部屋で4年半、稽古を積んだ。外国出身力士は1部屋1人という規定があり、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)が現役だったため、初土俵を踏めずにいた。25年初場所中の師匠の引退を経て、初土俵への道が開けた。実力者がそろう稽古場で、関取衆と渡り合う力を身につけた。場所後に昇進すれば、関取9人を擁する部屋の10人目となる。
所要6場所で新十両となれば、板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬に並ぶ。番付を上げても白星を重ね、最速タイの関取昇進に手をかけた。【山田遼太郎】
◆旭富士英毅(あさひふじ・ひでき)本名・バトツェツェゲ・オチルサイハン。2002年(平14)5月17日、モンゴル・ウランバートル出身。伊勢ケ浜部屋。18年春に来日し、神奈川・旭丘高で相撲を始める。卒業後の21年春から伊勢ケ浜部屋で稽古を重ね、25年九州場所初土俵。先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)からしこ名を受け継いだ。26年初場所の序ノ口から序二段、三段目と7戦全勝で優勝。同年名古屋場所は6勝1敗で幕下優勝を果たした。得意は両四つ、上手投げ。187センチ、152キロ。
