
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:CATCH!!>
炎暑の夏が過ぎ、秋風を感じるようになった9月に入ってホークスの勢力はさらに増した。西武、日本ハム、ロッテと続いた本拠地ドームでの9試合は8勝1敗。優勝マジックを一気に1桁に減らし、有終のゴールを確実なものとした。
ネット裏にある試合管理人室から戦況を見つめるソフトバンク王貞治球団会長(86)も、正念場の戦いで見せるチームの「強さ」に目を細めていた。
「毎年勝つというのは大変なんですよ。今は昔に比べて選手たちの“移動”が頻繁になっているでしょう。FAとか現役ドラフトとかね。アメリカにも行っちゃうし。今年はいい戦力で戦ったとしても、来年はその戦力で戦えるとは限らないから」
リーグ連覇を達成した昨年オフを振り返れば、14勝を挙げ2年連続で最多勝を手にしたエース有原が日本ハムへ移籍。順風満帆の船出とは言えなかった。一塁側ベンチに目をやれば、王ホークス時代の教え子でもある小久保監督が必勝のタクトを振り続けている。「小久保監督の選手の起用法、やりくりとかは大したもんだと思いますよ。(采配の)思い切りがいい。ファームから上げてからすぐ先発登板させたり、野手も先発起用したりとか。我々がやったことのない思い切った選手起用。小久保監督はこの3年間、うまくチームの戦力を使い切っているよ」。王会長はそう言って何度もうなずいた。
リーグ3連覇は王会長でもできなかった。99年に福岡移転後に初優勝。00年に連覇を果たし日本シリーズで長嶋巨人との夢の「ON対決」も実現。だが、01年は近鉄にペナントをさらわれた。ホークスにとって60年ぶりとなるパ・リーグ3連覇。福岡移転後の球団史に大きな金字塔を打ち立てた小久保ホークスの戦いを振り返って王会長は言った。
「(シーズンの)最後の最後の戦いのときにいいコンディションで試合に臨めるチームが強い。3連覇できるというのはそういうことをすべて乗り越えてということだから。やっぱりチーム力がしっかりしているということ」
「巨人の王」から「ホークスの王」となって、もう31年が過ぎた。「オレは常に勝ちたいんだ!」。超攻撃野球を標榜(ひょうぼう)し、チームを鼓舞し続けてきた王会長にとってもV3は感激もひとしおだ。本塁打を量産した4番栗原、そして1番正木も好評したものの、殊勲者に挙げたのは周東だった。「周東がすごくいい仕事をしてね。チームの士気を上げてくれましたよ。周東の守備力ですね。淡々とプレーしてくれてね。さりげなくやっているけどすごいファインプレーをやってね。ウチの守備力は図抜けていますよ。打ったとか打たなかったとかではなく、守備のミスで(試合に)負けたくないんですよ。ちゃんと練習をやっているのか、となるからね。それがウチの伝統」。王会長もうなる「守備力」でつかんだV3でもあった。
